実例で学ぶ「売り上げを伸ばす」デザインの凄技 センスだけに頼らない「書体」と「色彩」の使い方

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一瞬で目に入るのが左のゴシック体、右の明朝体は静けさが感じられる(写真:筆者提供)

2つのポスターがあり、左はゴシック体の比較的太い書体、右は明朝体の細めの書体を使用しています。同じ写真、同じ文章でも、語っている人(主体)の言い回しや文章の本質的な意味のニュアンスが、書体の印象に左右されています。

一瞬で目につきやすいのはもちろんゴシック体です。強い主張と意志を感じます。一方、細くて小さめの書体で組まれた明朝体のポスターは、字間が少し空いていて、ゆったりとした余白があり、しっかり視線誘導されていきます。ゴシック体のデザインにはない静けさの中で、メッセージは心の中に刻まれていきます。

デザインの発信元のイメージが書体で決まる

続いて、私が「壱岐の海ごはん」という地産品(水産加工品・惣菜など)のローカルのブランドを立ち上げる際に作ったデザインサンプルです。色合いやモチーフのイメージは大きく変えず、書体タイプのみ大きく変えています。

左はかわいくて手作り感のある感じ、右は真摯なイメージになる(画像:筆者提供)

左の案は切り紙をイメージした「キリギリス」という手書き風の書体を使用しているため、かわいくて手作り感あふれるおみやげのラベルというイメージになり、右は「筑紫アンティーク明朝体」という明朝体を使用しているため、真摯なイメージになります。つまり、「デザインの発信元」のキャラクターが、書体のデザインでほぼ決まってしまうのです。

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