やる気を削がれる人と奮起する人の決定的な差 脳科学的にはお金や成果が目標だと挫折する

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この結果を見ると、人は誰かに貢献して喜んでもらえることで幸せになれる、そしてその貢献に対して、お金という形で自分にペイフォワードされると同じように幸せになれるということがわかります。

それでは、目標に向かってやる気を出して邁進ために必要な考え方とは、どのようなものでしょうか。これについても研究で有効な方法が見つかっています。

一般的に「やる気があるから→できるようになる」と考えられています。

たとえば「勉強をやる気があるから→勉強ができるようになる」「仕事のやる気があるから→仕事ができるようになる」というように。

しかし、脳科学的にはじつは逆で、人は「できるようになるから→やる気になる」のです。そして、できたことを続けるから、うまくできるようになり、さらにやる気が起こるのです。

「やる気が起きる」とき、脳の中では、大脳基底核という大脳の一番内側で中心にあたるところの脳回路の活動が高くなるということがわかっています。

ネガティブなフィードバックはやる気を削ぐ

オランダ・アムステルダム大学のバーガーズ博士らは、次のような研究を発表しています。157人の被験者に、オンラインの脳トレプログラムに参加してもらいます。プログラムの出来不出来にかかわらず、「良い点やできている点を見つけて、ポジティブなフィードバック」をする場合と、「悪い点を見つけて、ネガティブなフィードバック」をする場合で、やる気にどのような違いが現れるかを調査します。

その結果、ネガティブなフィードバックばかりが続くと「やる気」が減少していくことがわかりました。

ついつい、「ダメ出し」をしたほうが、成長をすると思いがちですが、じつは「ダメ出し」ばかりが続くと、気持ちが後ろ向きになり、やる気を削いで「成長」どころではなくなってしまうのです。

また、フィードバックのタイミングとしては、すぐのタイミングが「やる気」を高めるために非常に有効であることがわかってきました。

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