FF7リメイク、異例の「500万本ヒット」の舞台裏 発表から約5年かけてスクエニHDが歩んだ難路

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こうして異例ともいえる開発・販売展開により、大型タイトルのリメイク作品を成功させたことで、昔ながらのファンの回帰を促すだけでなく、シリーズのファンの新規開拓にもつながった。

加えて、今作ではストーリーが途中までのため、結末を早く知りたいユーザーが原作を移植したスマホアプリ版(2015年以降配信)などを購入するといった波及効果もあった。

次の課題は続編の早期投入

ヒットを記録したFFⅦリメイクだが、今後の課題となるのは分作の2作目以降の発売だ。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に外出が制限され、巣ごもり消費の代表格である家庭用ゲームに注目が集まった。

北瀬氏は1990年にスクウェアに中途入社後、FFシリーズに5作目から携わる。浜口氏は2003年にHAL卒業後にスクウェア・エニックス入社。FFⅦリメイクには立ち上げから参加してきた(撮影:梅谷秀司)

また、11月にソニー・インタラクティブエンタテインメントから新型ゲーム機のPS5が発売されたことで、新規のユーザー増などすそ野は広がりつつある。こうした追い風が吹く中で、できるだけ早くユーザーに2作目以降を届けることが重要となる。

すでに続編にあたる2作目の計画は始まっており、現在も開発を進めている(発売時期などは未定)。FFⅦリメイクのヒットをきっかけに、続編の開発に携わりたいというゲームのエンジニアが、世界中から数多く中途入社の応募をしてくるなど好循環も生まれている。

スクエニHDは2021年以降、PS5向けにシリーズの最新作である『ファイナルファンタジーXVI(16)』の発売も予定している。新作投入と今回のようなリメイクのヒットのサイクルを回していけるかが、シリーズの今後を占う試金石となりそうだ。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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