走行機器類は高価な201系のチョッパ制御方式から、新たに開発された界磁添加励磁制御(かいじてんかれいじせいぎょ)方式を採用。機器の低価格化とさらなる省エネを両立させた。今では一般的となったボルスタレス台車を国鉄で初めて本格採用したのも205系で、乗り心地の改善と同時に軽量化にも貢献している。
205系はまず山手線で340両がデビュー。同線のシンボルカラーである黄緑色の帯を巻き、103系に代わって活躍を始めた。続いて、京阪神地区の東海道・山陽本線にもスカイブルー帯で進出したが、こちらは7両編成4本、わずか28両のみの製造にとどまり、103系と201系の“二大勢力”に交じって活躍することになる。
分割民営化後も製造
国鉄が分割民営化された後も、JR東日本は1000両以上を製造。山手線に加えて横浜線、南武線、中央・総武緩行線、埼京・川越線、京浜東北線などにも活躍の場を広げた。1990年からは、前面のデザインを変えた車両が京葉線と武蔵野線で運用を開始したほか、翌1991年には前面だけでなく車内デザインや一部の機器類を変更した500番代が、相模線専用としてデビューしている。
JR西日本「205系」
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JR西日本が保有する205系の0番代(手前)。前面や
乗務員扉にオレンジ色の細帯が入る(筆者撮影)
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奈良線や関西本線で活躍中の車両と並ぶ
(筆者撮影)
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205系の側面。1段下降窓を採用しすっきりした
印象となった(筆者撮影)
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製造時は幕式だった行先表示も現在は
LED式に交換された(筆者撮影)
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床下には抵抗器など旧式の走行機器が並ぶ
(筆者撮影)
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空気ばね式のボルスタレス台車を採用したことで
乗り心地が大きく向上した(筆者撮影)
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ロングシートは7人掛け。戸袋窓は
製造当初からない(筆者撮影)
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車端部にはバリアフリースペースが設けられている
(筆者撮影)
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現在は客扉の上部にLED式の情報案内装置が
設置されている(筆者撮影)
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リニューアル時に吊り革は大きくなり、高さにも
バリエーションができた(筆者撮影)
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乗務員扉との仕切りは首都圏の車両に比べて窓が大きい
(筆者撮影)
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205系の乗務員室。色合いなどに国鉄時代の
雰囲気が残る(筆者撮影)
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205系の運転台。左側のマスコンハンドルは
前後に動かすタイプだ(筆者撮影)
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0番代と1000番代は車両性能が違うため、
「この編成は0代」との表記がある(筆者撮影)
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運転席上部の機器類。扇風機には国鉄マークが残っていた
(筆者撮影)
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東海道・山陽本線で活躍当時の205系。2010年ごろは
写真のようなカラーリングだった(筆者撮影)
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阪和線時代の205系1000番代。0番代とは
前面窓のデザインが違う(筆者撮影)
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奈良線で103系と並ぶ205系1000番代。
両者とも普通列車で活躍中だ(筆者撮影)
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