憧れはBTS?「髪色」にこだわる若者男子の本音 一方で30代以上向けの白髪染めも注目集まる

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ただし、同社の調査では、普段からカラーをしている割合は男性では全体の2割程に留まるという。その大きな要因に「ヘアカラーは面倒」というハードルがあるそうだ。

男性は平均して1カ月に1cmほど髪が伸びるため、平均すると1カ月半に一度程度染めている。その都度サロンに通ったり、自宅でケアをするのは手間だと考える人が多いためだ。

伊藤氏は「ワンタッチで塗るヘアトリートメントとして、バスルームで染めるといった簡便性で『メンズビゲン』は成長してきたが、限界はある。今後は手軽さをベースにしつつ、染める価値を提案したい」と話す。

そこで今年9月から展開しているのが、シャンプーで落とせる白髪染め「クイックスティック」だ。ターゲットは30代前半からの白髪が目立ち始めた世代で、コンパクトな櫛型スティックで、狙った白髪のみを染められる。

心地よさがこれからのトレンドに

商品企画室で同製品を担当する宮瀬亮氏は「若い世代には、白髪染めというワードにネガティブな印象を持つ人も少なくない。中には店頭で白髪染めを手に取るのもハードルと感じる人もいる。そこで手軽に使えて、その日のうちに落とせるスティックで、『使ってみよう』と思ってもらえるエントリー商品として開発した」と開発意図を語る。

同商品はオンライン限定販売だが、計画比2倍と売れ行きは好調。その要因に、「ビームス デザイン」の監修によるパッケージの印象を挙げる。「デザインのポップさや、ブランドサイトで『ビームス』が手がけた特集ページも好評だ。ファッションというポジティブな印象のものと掛け合わせたことで、オンラインに精通した若い世代の方に響いたのではないか」(宮瀬氏)。

グレイヘアを境に、白髪は「隠す」など、ネガティブな印象がまさに転換しつつある。黒髪カラーから白髪染めまで「楽しむ」「自然体で過ごす」といった、その人の心地の良さを求めるスタイルが、これからのトレンドとしてより広まりそうだ。

臼井 杏奈 美容業界ライター

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うすい あんな / Anna Usui

青山学院大卒後、産経新聞社に入社しスポーツ記者に。その後INFASパブリケーションズに入社し、WWDJAPANを経てWWD BEAUTYに所属。美容業界記者として外資系ブランド担当およびビューティーテック、アジア市場、スタートアップ、新興市場などを担当。現在はフリーランスとして活動。

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