コロナ感染で「自宅療養に必要なもの」リスト 1人1日最低2ℓの水、ゼリー状栄養補助食品…

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ウイルスが付着した手指を介して、いす・ソファ・リモコンなど家庭内のあらゆる場所に知らない間に触ることで広がっていきます。また、換気が不十分だと飛沫から水分が蒸発してマイクロ飛沫となって空気中を漂います。その飛沫を吸い込むエアロゾル感染もあります。空気を完全に入れ替えることが大切です。そのため、感染者が出た時点で感染者が触れた場所やものはすべて消毒や洗濯を行います。

共有スペースでの感染症対策

同居家族の中に感染者が出た場合、居住スペースを分けることが大切ですが、トイレやお風呂など難しい場所もあります。

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最後に、自宅療養を行ううえで、感染症拡大を予防するためのポイントをまとめました。

①トイレ

トイレのフタを開けたまま水を流すと、細菌・ウイルスが舞い上がって空気中に漂う可能性があります。そのため、トイレのフタは閉めて流しましょう。

②ゴミ捨て

ゴミの捨て方で大切なのは、「ゴミに直接触れないこと」「ゴミ袋はしっかり縛って封をすること」「ゴミを捨てた後は速やかにせっけんで手を洗うこと」、この3つです。以上を守ることで、ゴミを扱う市町村の職員や廃棄物処理業者の感染防止対策にもなります。

③洗濯

感染者が触れるもの(パジャマやシーツなど)は必ず1日に1度は洗濯します。洗剤は一般的な家庭用のもので大丈夫ですが、手袋とマスクをつけましょう。また、熱に強い素材の場合に限りますが、鼻水などの体液や便で汚れた衣服やリネンなどは、80℃以上の熱湯で10分間消毒をしてから乾燥させるとなおよいです。

④換気

感染者のいる部屋はもちろん、リビングやトイレのような共有スペースやほかの場所も換気しましょう。頻度としては1時間に2回以上行います。窓が2方向あれば、どちらも開けて風が通るようにするとより効果的です。冬など寒い時期に窓を開けるのはつらいですが、換気扇がもしあれば換気扇でも大丈夫です。また、早く換気を終えたければ、扇風機などを使って風を送るという方法もあります。

⑤スイッチ

洗浄、消毒をするのはもちろん、できる限り手は使わないのがよいでしょう。ひじなどのあまり使わない部位でスイッチのオンオフくらいはできます。

⑥食事

もし家族にひとりでも感染者が出たら、大皿料理を出すのはやめましょう。患者だけが感染しているとは限りません。鍋などではなく、ひとりずつ個別の皿で完結するような料理が好ましいです。

 
岡田 晴恵 白鷗大学教育学部教授、医学博士

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白鷗大学教育学部教授。医学博士。専門は、感染免疫学、公衆衛生学。共立薬科大学(現慶應義塾大学薬学部)大学院修士課程修了、順天堂大学大学院医学研究科博士課程中退。アレクサンダー・フォン・フンボルト奨励研究員としてドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所に留学、国立感染症研究所研究員、日本経団連21 世紀政策研究所シニア・アソシエイトなどを経て、現職。企画・編著『感染症カルタ』(奥野かるた店)も好評発売中。

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