米雇用者数、5月は21.7万人増 4カ月連続で20万人超の強い伸び
[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比21万7000人増となった。4月の強い伸びからは鈍化したものの、4カ月連続で景気回復の節目とされる20万人増を維持し、米経済が年初の寒波の影響から脱していることを示した。
また、リセッション(景気後退)期に喪失した870万人の雇用を取り戻した。
市場予想は21万8000人増だった。3、4月分は計6000人下方修正された。
LPLファイナンシャルのエコノミスト、ジョン・キャナリー氏は「第1・四半期の経済をめぐる状況は例外的で、まずまずの雇用創出ペースを回復しつつあることが示された。極めて良好な結果だったと言える」と述べた。
失業率は6.3%と、前月から横ばいとなった。
また、求職をあきらめた人や、正社員としての就職を望みながらもパートタイム就労にとどまっている就業者を含む不完全雇用者の比率は12.2%と、2008年10月以来の低水準となった。
エコノミストは、求職をあきらめた人たちの再就職活動が年末に向けて一段と活発になると予想している。労働市場への信頼感の高まりを示するものだが、失業率は下がりにくくなる。
家計調査の結果によると、労働人口は19万2000人増と、前月の大幅減から増加に転じた。労働参加率は前月から横ばいの62.8%だった。
労働市場の緩み解消にどの程度の時間がかかるかを示す手掛かりとされる時間当たり賃金は0.05ドル増加した。前年比では2.1%上昇にとどまり、賃金上昇圧力がさほど存在しないことを示唆した。
平均週間労働時間は横ばいの34.5時間。
5月の雇用は幅広い分野で増加した。
製造業は1万人増。増加は10カ月連続。自動車販売台数が在庫を上回るペースで増加していることを背景に、製造業部門の雇用者数は今後さらに増加するとみられている。
建設も6000人増で、5カ月連続で増加した。ただ、増加ペースは前月から鈍化した。レジャー・接客、専門職、人材派遣、小売などでも力強い増加が見られた。
政府部門も4カ月連続で増加し、5月は1000人増。
第1・四半期の米国内総生産(GDP)改定値は、異例の寒波や在庫の積み増しペース鈍化などが響き、前期比年率1.0%減と、2011年第1・四半期以来3年ぶりにマイナス成長となった。
ただ、雇用統計で示された堅調な雇用ペースに加え、これまでに示されている好調な自動車販売台数や製造業活動の加速などは、第2・四半期のGDPの伸びが年率3%を超える可能性を示唆している。
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