「賛否両論のナイキCM」に怒る人が的外れな理由

「何かを信じろ。全てを犠牲にしてでも」の真意

ナイキジャパンのCMでは「他人とは異なる自分」に苦しむ3人の少女が自ら世界を変える一歩を踏み出す(YouTube:NIKE JAPAN「動かしつづける。自分を。未来を。」より)  
CMを作るには、確固としたマーケティング戦略が不可欠。ナイキジャパンのメッセージはブランドの価値観に共感する購買層には届いている。

ナイキジャパンが11月28日に公開したCM「動かしつづける。自分を。未来を。」がネット上で議論になっている。在日コリアン、黒人とのミックス、学校でいじめの対象になっている3人の少女がそれぞれに「他人と異なる自分」の苦しさや悩みをつぶやく。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

「我慢しなきゃ」「気にしないふりしなきゃ」と自分に言い聞かせる3人に共通しているのは、サッカーへの情熱だ。「いつか誰もがありのままに生きられる世界になればいいのに」と思うが、最後に「でも、そんなの待っていられない」と自ら世界を変えていくことを決意する。

社会から浮いたり、仲間外れになっている人たちを応援する趣旨だが、「日本人の多数が差別をしているような内容で不快」とか「日本をおとしめる内容だ」といった批判的なコメントが殺到した。

欠けている「バイヤーペルソナ」の視点

その分析記事は多くあるが、欠けているのは「バイヤーペルソナ」の視点だ。バイヤーペルソナとは、アメリカ・マーケティングソフト企業ハブスポットが作った用語で、「人口統計学の属性情報に加えて個人的な背景などの要素をすべて含めてターゲットの人物像を想定し、作成された半架空のターゲットとなる理想顧客像」を意味する。

漠然とした顧客像ではない。実際のデータを基に、名前、年齢、性別、学歴、職業、年収、住んでいる場所(都市部か地方か)、趣味、性格、オンライン行動、購買行動などを含めた架空の人物を作り上げるところまで徹底する。

企業がCMを作るときには、確固としたマーケティング戦略がなければならない。その戦略を練るうえで、バイヤーペルソナを見極めることは不可欠だ。

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