上場市場別に見ると、今期の業績予想がいいのは新興市場(1部、2部、ジャスダックを除く市場)である。東証1部(1982社対象)の今期営業益予想が14.0%の減益予想であるのに対し、新興市場(320社対象)は同97.6%の増益予想と大きく伸びる。新興市場に多いネット企業はDX関連銘柄として注目を集め、コロナ禍の新常態と相性がいいことが、その要因として考えられる。
四季報では毎号、ランキング特集を組んでおり、今号ではその一つとして「下期営業利益増加率ランキング」を作成した。コロナ禍で2020年度前半は業績不振だった会社も、後半以降は回復に向かっているケースは多い。そこで2、3月決算会社の中から上期の営業利益実績に対し、下期の営業利益予想の増加率が高い順にランキングをしたものだ。
作成にあたっては、前年度の下期にも利益が多く出た会社や、前年度より下期の営業利益増加率が低い会社は除外。今年度に限って特に下期の利益が多い会社が抽出されるようにした。下に掲載しているのはその一部の10位までだ。
下期にV字回復する勝ち組企業
首位のダイキョーニシカワは、インパネやバンパー、バックドアなど自動車樹脂部品の製造を手がける。通期ベースではまだ大幅減益予想だが、上期の落ち込みから後半は急回復する。2位のテノックスは建設基礎工事の大手。期初の手持ち残高が低水準だったことから前半の業績は厳しかったが、後半の受注獲得で回復に向かっていく。
ランキング全体を見ると、自動車関連企業の多さが際だつ。4位のメタルアートや7位のイリソ電子工業、10位の第一稀元素化学は自動車関連事業の回復が見込まれている。『会社四季報』2021年1集新春号では72位までのランキングを掲載しているが、11位以下にはトヨタ紡織や日産東京販売H、豊田合成、小糸製作所、いすゞ自動車なども入っている。
2020年度後半はコロナ禍が緩和されつつ、その影響も残る時期。2021年度もしばらくそうした状態が続くと見られる。不透明感が漂う環境下でも、力強く成長を続ける企業は数多い。会社四季報新春号をぜひ活用していただきたい。
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