新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中、企業業績は「K字回復」へ向かっている。文字どおり、急回復する企業と、低迷から脱することができない企業に二分されている。12月16日(水)に発売した『会社四季報』2021年1集新春号では、こうした企業業績の“明暗”がより鮮明となっている。
半年前の前々号(2020年3集夏号)は、3月期決算企業の約6割が2021年3月期業績見通しを「未定」としていた。しかし、コロナ禍が業績に与える影響が見えてきたことから、会社は業績見通しの修正を相次ぎ発表した。
それを受けて全上場会社について独自に今期、来期の業績予想を見直した結果、全産業の今期(2020年10月期~2021年9月期、対象3419社)の予想営業利益は14.5%減となった。大幅減益予想ではあるが、3カ月前の前号時点(2020年7月期~2021年6月期、対象3416社)では同23.1%減であっため、減益率は8.6%ポイント縮小している。
「四季報」新春号で頻出した意外な見出し
そうした状況は記事の【見出し】ランキングにも端的に表れている。見出しでもっとも多かったのが、【減益幅縮小】だった。前期比で減益予想ながら前号に比べて減益幅が縮む会社に使われるが、平時ではあまり出てこない。
その他にも【上振れ】【増額】【一転増益】など状況の好転を示す見出しが順位を上げた。一方で、ランキング上位には【反落】【続落】【大幅減益】【赤字拡大】など業績悪化を示す見出しも並んだ。まさに企業業績はK字型に明暗が分かれていることが見て取れる。そうした状況は記事の【見出し】ランキングにも端的に表れている。見出しでもっとも多かったのが、【減益幅縮小】だった。前期比で減益予想ながら前号に比べて減益幅が縮む会社に使われるが、平時ではあまり出てこない。
業種別に見てみよう。銀行業、保険業を除く31業種の中で、今期予想が営業増益となるのは情報・通信業、医薬品、証券業、その他製品の4業種だ。また世界的な原油安が一服し、石油・石炭製品は黒字転換する見通し。一方で陸運業、海運業、空運業が赤字転落となり、鉄鋼は連続赤字の見通しだ。
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