年収1000万「ワークマンフランチャイズ」の内情 狭き門FCのオーナーになるための「5つの条件」

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夫婦での運営を推奨するのは、何でも相談できる相手がすぐそばにいることが重要だからだ。店長は気を配らねばならないことが数多くある。売り上げ、客への対応、商品管理・売り場管理、アルバイトスタッフの管理。悩みは尽きない。

そのとき、業務に精通し、共に悩みを分かち合え、相談できる存在が身近にいるのは心強い。また、女性の目線が入ることでうまくいくことも多い。「ワークマンプラスの来店客の半数近くが女性客になっている。店長の奥さんが一緒に店に立つことで、女性客も安心して買い物ができます」(八田部長)。

新規募集オーナーの年齢制限を50歳未満とするのには2つの理由がある。1つは、ワークマンプラスの導入により、女性を中心に新しい客層が増えており、柔軟な接客が求められるから。もう1つは、新規顧客の開拓が継続することで来店客が増えて忙しくなり、体力・精神力が求められるからである。実際、上尾日産通り店の来店客は建設業関連客4割、一般客6割と一般客の比率が多くなり、売り上げも前年比120%で推移し、忙しい毎日だ。

建設業関連客のニーズは特殊なものが多いため、自身も職人経験がある長島店長が接客し、一般客は美香さんおよび女性パートスタッフが担当するという役割分担ができている。

ただ、美香さんの明るい人柄と人懐こさにより、寡黙な職人気質の客のリピーターも増えているという。「プラス店になって一般のお客さんが増えたことで従来の職員さんが入りづらくなってはいけないし、逆に一般客が入りづらい雰囲気を作ってもいけない。その匙加減が難しいが、長島さん夫婦は2人の経験を活かして、上手に采配している」(埼玉地区第一スーパーバイザーの楠本潤氏)。

支援制度で若い世代のオーナーを増やす

2年前の2018年にワークマンプラスがスタートしたことで、それまでFC加盟時の店主の平均年齢が42.3歳だったものが、今年4月には38.5歳まで下がっている。ワークマン本部が意図時に若い店主を選んでいるということもあるが、若い世代からの応募も軒並み増加しているという。直近の半年間で新規にFC契約した40件の内訳は、20代が5人、30代18人、40代16人、50代1人だった。

なお、女性店主は全体の20%にものぼり、20代の女性店主は3人いるという。奥さんが店主兼経営者で夫が店員という、婦唱夫随のパターンである。

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