「子宮頸がんワクチン」男も打つべき2つの理由 「なぜ僕は接種したのか」ある父子の体験談
「子宮頸がんワクチン」として知られてきたHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン。だが世界的には、男性も接種を受ける動きが広がっており、日本でもようやく議論が始まった。厚生労働省は11月20日、HPV4価ワクチンの適応に男性を追加する方針を発表した。
男性も打つべき理由は大きく2つある。1つは、子宮頸がんがHPVのピンポン感染によって広がっていくためだ。もう1つは、中咽頭がんや肛門がん、さらには直腸がん、陰茎がん、性感染症である尖圭(せんけい)コンジローマも、ほとんどがHPVによることがわかってきたからである。
世界では男性も接種が当たり前のフェーズへ
日本は現在、HPVワクチンの接種に関して、先進諸国の中で異常な事態に陥っている。
HPV4価ワクチンは2013年に定期接種化された。対象は小学校6年生から高校1年生相当の女子だ。ところが、政府はわずか2カ月で積極的勧奨(対象者のいる世帯への予診票送付)を中止。以降、接種率は急速に低下した。当初70%超あった接種率は、2016年には初回0.6%、3回完遂0.3%で、現在も1%未満のまま回復していない。
国内では年間1万人超が子宮頸がんに罹患し、約3000人が亡くなっている。現在の接種率が続くと、今後50年で国内の計5万5800〜6万3700人が子宮頸がんに罹患し、9300〜1万800人が死亡するというショッキングな試算もある。
他方、オーストラリア、英国、アメリカでは、HPVワクチンの導入によってHPV感染率が有意に低下したと報告されている(第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料による)。
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