「子宮頸がんワクチン」男も打つべき2つの理由 「なぜ僕は接種したのか」ある父子の体験談

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――日本ではまだまだ「女性が打つもの」という見方が一般的なHPVワクチンですが、今回、接種を受けることになったきっかけを教えてください。

浩一さん:最初は、両親とナビタスクリニック新宿に抗体検査に訪れた際、上先生(上昌広医師)に勧められたことでした。これからは男性もHPVワクチンを打つ時代だと説明を受けたのです。

それまで自分がHPVワクチンを打つことなど想像したこともなく、そのときは即答というわけにはいきませんでした。家に持ち帰って、その安全性と必要性について自分なりにインターネットで調べるうちに、男性である自分も打つべきとの考えが固まっていきました。

――浩一さんはそれまで、HPVワクチンについてどのように認識されていたのでしょうか。

浩一さん:HPVワクチンの存在は知っていましたし、メディアなどから伝わる噂を聞いたこともありました。やはり多くは深刻な副反応に関するものです。ですから正直、「怖い」というイメージはありました。といっても、子宮頸がんの予防ワクチンだと思っていましたから、何か遠い存在、男性の自分には特に関係のないもの、という認識でしたね。

純粋にエビデンスだけ見て「打つべき」と決断

――その印象と認識を覆して「接種を受けよう」という結論に至ったのには、何か決め手があったのでしょうか。

浩一さん:とにかくHPVワクチンに関するデータやエビデンスを確認していきました。その結果、HPVワクチンを受けるメリットの大きさに比べてリスクは非常に小さい、と最終的に自分自身が納得したんです。

例えば、国内では年間約1万人が子宮頸がんを発病し、3000人近くが亡くなっているけれども、HPVワクチンを適切な時期に接種すれば7~9割が予防できるということ。さらに、パートナー間で感染させてしまうこと、子宮頸がん以外の予防効果についても知りました。

一方で、副作用とされる失神や痙攣などの深刻な全身症状は、HPVワクチンによるものとは言い切れないのではないか、と考えるようになりました。

――親御さんとしては、接種についてどのようなご意向だったのでしょうか。

和也さん:我が家では、打てるワクチンはできる限り打つのが基本方針です。ただ、HPVワクチンに関しては基本的には女性が対象との認識でしたので、2人の娘や妻だけ対応していました。上先生のアドバイスを受けて初めて、男性陣のHPVワクチン接種について家の中で話を持ち、息子だけでなく私も接種を決めたんです。

副反応の一般的な噂も知っていましたが、私ももちろん科学的なエビデンスを重視する立場です。男性の接種についても耳にしたことがあり、実は関心を持ったことはあったのです。

ところが、予防接種に比較的力を入れている自宅近くのクリニックで尋ねると、「男性はいらないでしょう」「男性を対象としたHPVワクチンの扱いはありません」と、取りつく島もありませんでした。

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