アメリカに「団結と癒やしの時代」は来るのか 慶大・渡辺教授が語る「バイデン政権」の課題

強大な影響力を持ち続けるトランプ氏
――まず今回の大統領選の結果についての受け止めは。
アメリカの大統領の再選率はふつう7割ぐらいあり、直近の3人の大統領(クリントン、ブッシュ、オバマの3氏)も再選している。それだけに今回、1期でNOを叩きつけた有権者の判断は重い。
とはいえ、トランプ大統領の強さもまざまざと見せつけられたのが今回の選挙だった。トランプ氏は得票率でも前回選挙時(2016年)より1%ポイントぐらいアップしている。これだけ新型コロナの逆風があるにもかかわらず、ここまでのパフォーマンスを発揮したことで、今後の共和党としても、トランプ氏が敗れたからといって一気に同氏に背を向けるわけにはいかない。
トランプ氏は今後、新たなメディアを立ち上げるのか、2024年の再出馬を目指すのかはわからないが、共和党の中でキングメーカー的な影響力を持ち続けるだろう。共和党がこれからトランプ主義とどう向き合っていくか。党内の主流派とトランプ派の駆け引きが見ものだ。
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