第3波でドタバタ「修学旅行」を巡る学校の苦慮 京都や沖縄は大幅減少だが、地方・地元に脚光

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今年の修学旅行の動向を調べると、完全に中止というのは少数派で、延期して時期をずらして訪問先も人気観光地などではなく、移動距離が少なく、その分感染リスクが減る近場に変更という動きが多くみられる。

最近の報道で目に付くのが「遊覧飛行体験」だ。静岡県内の中学校は遠方への修学旅行を中止した代わりに、静岡空港発着の「遊覧飛行体験」に参加。空港を出発して富士山や駿河湾などふるさとの眺めを楽しんだ。

上空からの景色を堪能するだけでなく、空港では格納庫などの見学も。飛行機は母校の上空も通過し、下級生が人文字で描いた校名に感動していたという。

地元の歴史や文化を学ぶツアーも人気だ。その象徴が北海道・白老町に今年7月に開業したアイヌ文化発信拠点「ウポポイ」を訪れるツアー。9月末時点で、道内外700校以上が見学予約を行った(このうち6割が9月、10月に訪問)。小中学校は道内が中心で、高校の多くは道外だという。

京都、沖縄は訪問する学校が大幅減少

逆に、修学旅行の人気地だった京都、沖縄などは、訪問する学校が大幅に減ってしまった。平成20年に101万人、昨年も約70万人の修学旅行生が訪れた京都市は、4~7月期の修学旅行の大半が延期、中止となってしまった。市内には修学旅行生の受け入れで経営が成り立っている旅館やホテルが少なくない。

ある旅館では春シーズンだけで約50校がキャンセルとなったというから打撃だ。市は6月に全国186の自治体に修学旅行実施を訴える依頼文を送付したり、感染防止対策のガイドラインを発行するなど懸命の取り組みを続けてきたが、9月末までに訪れた学校は約200校、児童・生徒数は2万5000人ほどにとどまっている。

インバウンドが消滅し、修学旅行生の姿も見られない古都。観光客は静寂を楽しめるかもしれないが、宿泊・観光業者は厳しい事態が続く。

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