40代女性が騙された「遠距離恋愛」の詐欺手口 国際ロマンス詐欺で「470万円」送金するまで
しかし、男のもとに届いているはずの2段階認証のメールについて「ネットワーク環境が悪くてアクセスできない」「それで昨日もあなたにお金を借りた」と言われ、結局送金することができませんでした。
これは、偽の銀行サイトで「見せ金」を表示して、信じさせるという手立てです。送金に失敗したと思わせることで、後にお金を立て替えてもらう口実にもなります。女性はこの手に引っかかってしまい、その後も4回にわたり多額のお金を振り込みます。結局、男とは実際に一度も会うことなく、470万円という大金をだましとられたのです。
国際ロマンス詐欺では、①言質を取り、②結婚を意識させ、③性的な会話でとどめを刺し、ネット上のやりとりだけで巧妙な詐欺を行うのです。
抑えていた疑問が噴出
女性は詐欺被害にあったと、どのように気づくことができたのでしょうか。それは、ある日本の銀行口座に120万円を振り込んだ翌日、銀行から「この口座は、犯罪に使われている動きをしている」と連絡があったからです。この時、女性は「やっぱり詐欺だった!」と我に返りました。
これまでの経緯が頭の中を一気に駆け巡り、抑えていた疑問が噴き出したといいます。送金時にネットワークがダウンしていると言われた時も、LINEができるならメールを開けるはずではないかと聞いても「できない」の一点張り。おかしいとは思いながらも、相手との結婚を意識していたため、それ以上は深く追及できなかったようです。
「だまされた!」と思うと、急に体に震えがきてパニック状態に。それでも、気を取り直して警察に相談しましたが、「相手が外国人で日本にいなければ、捜査はできません。相手が日本にいるかどうか、あなた自身が確認してください」と、被害届は受理されなかったといいます。
また、だまされて振り込んだ別の銀行のサポートセンターに電話相談しても「専門の部署から連絡する」と言われたきり、女性のもとにいまだ連絡はありません。
国際ロマンス詐欺では「だまされる人にも問題がある」という風潮もありますが、私はそうは思いません。だます側が悪いのです。
振り込め詐欺の被害が話題になった当初も、被害者に対して同じような風潮がありました。それゆえに積極的に対策がされなかったため被害は一気に広がりました。しかも、警察は被害届を受理したがらず、銀行の対応もバラバラな様相も、その時の状況によく似ているのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら