40代女性が騙された「遠距離恋愛」の詐欺手口 国際ロマンス詐欺で「470万円」送金するまで
このやりとりには、人間心理を巧妙に利用した罠が潜んでいます。それは2人だけの秘密の共有をすることで、より心の距離が近づいてしまうという効果です。同様の写真を送りつける手口は、別の被害女性からも聞いていますので、ロマンス詐欺では定番になっているのかもしれません。
山を越えたら、後戻りできなくなる――。詐欺では「山」を越えさせ後戻りできなくさせてから、本題の詐欺を行います。
翌日に男は、ドバイに行って工事するのにあたり、1万ユーロの税金を払う必要があると、女性に送金を要求。女性は不審に思って断りましたが、「君はサポートしてくれると約束してくれたじゃないか。あれはうそなのか!」と男は迫ります。
90万円を送金させた手口
ここで「あなたの夢を私がサポートします」という女性の過去の言葉を持ち出してきました。これは言質を取って相手を追い込む手法で、自分の発言に責任を持つ真面目な人ほど、断りづらくなります。ましてや、結婚まで約束させているのですから。女性は男の要求に応じて、90万円を日本の銀行に振り込んでしまいます。
次の日も、ガソリン代が必要と送金を求める連絡が届きましたが、女性は昨日支払った金額以上はないと返信します。すると男は、「自分の銀行口座にはお金があり、借りたお金も返したいので、送金を手伝ってほしい」と言うのです。
なぜ、自分で振り込みをしないのか。理由をたずねると「ここはネットワーク環境が非常に悪いため、銀行のサイトが開けない」とのこと。女性は貸したお金が戻ってくると信じて、同意します。
まもなくして、海外の銀行サイトだというURLとIDとパスワードを受信。アクセスするとその口座には、67万ユーロ(約8000万円)以上の金額が表示されていました。
男はまず、ある口座に1万5000ユーロを送金するように要求。その後に、貸した金額分を女性の口座に送金するようにいいます。女性は伝えられた口座情報を入力して手続きをしましたが、送金するには2段階認証のコード番号が必要でした。
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