日本郵政、苦境の中で見えない「成長シナリオ」

株式3次売却のメド見えず、欠かせぬ成長戦略

日本郵政は2020年11月に新中期経営計画の基本的な方針を示したが……(撮影:梅谷秀司)

日本郵政はいつになったら上向くのか。

郵便局員による保険の不正募集問題に揺れる日本郵政が11月13日、2020年4~9月期決算を発表した。子会社で郵便・物流事業を担う日本郵便の取り扱い数量減少などが響き、純利益は前年同期比24.4%減の1789億円にとどまった。

同時に2021年3月期の業績予想を上方修正。これまで未定としてきた配当も期末に50円とした。ゆうちょ銀行の資金収支が改善することで、2021年3月期の経常利益は6200億円(同28.3%減)、純利益が3400億円(同29.7%減)となる見通しだ。

日本郵政は9月末に、株価低迷が続くゆうちょ銀行株の減損処理を行い、3兆円規模の株式評価損を単体決算で計上している。だが、日本郵政の谷垣邦夫専務執行役は「今後の業績にメドがついたことから、業績予想と配当の安定性を鑑みた結果、期末配当を行うことにした」という。

株式の3次売り出しは延期に

日本郵政にとっての課題は、2019年4月に売却方針を決めた後、売却のメドが立っていない政府による日本郵政株の第3次売り出しだ。政府はこれまで、東日本大震災の復興財源のうち、約2.8兆円分を日本郵政株の売却で確保しており、2019年5月末に国内外から主幹事証券会社6社を選定し、第3次売り出しに備えていた。

だが、2019年6月に顕在化したかんぽの不祥事で株価が1000円台にまで下落。政府は日本郵政株の売却を延期している。

2020年6月の復興財源確保法等の改正で、日本郵政株の売却期限は5年延長されているものの、足元の株価は800円台前半で推移しており、売却の目安となる株価(単純計算で1100円強)から大きくかけ離れている。この現状について日本郵政の増田寛也社長は、「売却時期は政府が決定することだが、株価を上げるためには企業価値を向上させないといけない」と語るものの、そのためには成長戦略が欠かせない。

日本郵政の収益は、金融子会社であるゆうちょ銀行とかんぽ生命に大きく依存している。ゆうちょ銀行の2020年4~9月期業績は経常利益が1720億円(同14.4%減)、かんぽ生命も販売手数料などの減少で経常利益は1622億円(同14.2%増)と増益に転じた。

金融2社と対照的なのが日本郵便の業績不振だ。日本郵政の経常利益における郵便・物流事業(国際物流事業を含む)の構成比は15.2%だが、増田社長は同事業を「(業績の牽引役として)一番期待できる事業」と位置付けている。

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