決算発表ラッシュが一段落し、主要企業の前期決算が出そろった。円安の恩恵もあって、企業業績は総じて好調。稼ぎ頭の1~5位は前年と同じ顔ぶれとなった。自動車などメーカー各社の好調ぶりが目立った一方、原発停止で赤字が続く電力各社を上回る赤字を出したのがエレキ大手。ワーストランキングに顔を並べる不本意な結果となった。
東洋経済では、主要企業の前年度(2013年12月期や14年2月期、14年3月期)業績から、「当期純利益」に着目。昨年に続いて今年も純益の上位200社をランキングしてみた。さらに今回は赤字の多かったワースト100社についてもランキング。まさに笑った会社、泣いた会社のリストができあがった(会社四季報オンラインでは予想純益も含めて分析した)。
トヨタは純益2兆円に迫る
純益トップは前年に続きトヨタ自動車。北米や欧州が拡大。日本も後半挽回したうえ、円安の追い風も効いて営業利益は7割増の2兆2921億円となり、純益も1兆8231億円と過去最高益(08年3月期1兆7178億円)を更新した。ただし、株価は足踏み状態で、時価総額は20兆円の大台にあと一歩という水準が続いている。
自動車では、ホンダも日本で新型車効果があり、北米、アジアも好調で純益56%増と伸ばし6位にランクアップ。日産自動車はリコール費用の増加に苦しみ、期中に一転減益となる下方修正を行ったものの終わってみれば営業利益、純益とも1割以上の増益で着地した。
ただ、順位は前年10位から13位に後退した。北米の好調が目立った富士重工業は大幅にランクアップし25位に入ってきた。回復度合いで目立ったのがマツダ。国内生産比率が高く円安進行の恩恵が大きく、税負担が軽いこともあって純利益は3.9倍増、順位を78も上げた。
2~4位はメガバンクが並んだ。納税開始となったものの、三菱UFJ、三井住友、みずほがそろって最高益を更新した。特にみずほは2割以上の増益となり、ライバルとの差を縮めた格好だ。
また、通信分野では、ソフトバンクとNTTドコモの逆転劇もあった。ドコモは減益となり順位を6位から8位へ下げた一方で、ソフトバンクはガンホー、ウィルコム連結化もあり純益を大きく増やし、順位を12位から7位に上げた。なお、ソフトバンクは前期から会計基準をIFRSに移行しており、単純比較できないため純益増加率は「-」とした。
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