「民主党のためのストーリーを押し付けてくる主流メディアにはもううんざり。アプリがあれば、主流のメディアやソーシャルメディアが考えた“真実”ではなく、検閲なしの本物の真実を知ることができる」(レイトン)
これまでもトランプ支持者はFOX、バイデン支持者はCNNやMSNBCと、それぞれ政治的立場が大きく異なったメディアから情報を得ており、「同じ惑星にいないかのように、双方がまったく違う物事を見聞きしている」(バイデン支持者の白人女性看護師)との声すら上がっていた。熱狂的なトランプ支持者が、検閲なしのメディアに傾斜すれば、「Qアノン」に象徴されるような陰謀論がますます広がる可能性がある。
ただ、再集計や再投票などを声高に訴える支持者たちだが、詳しく話を聞くと、トランプ氏の敗北も「合法で公正な結果なら受け入れる」(元アメリカ軍男性兵士)という人が少なくない。
ボストンヘラルド紙などが大統領選で投票した1200人に尋ねた世論調査でも、「選挙結果を受け入れる用意があるか」との問いに81%が「イエス」と答え、「ノー」は10%に過ぎなかった。選挙戦の余韻が覚めぬ今はトランプ氏の主張に沿って不正を糾弾しつつも、トランプ氏が拳を下ろせば、「下がって待機」する心づもりもにじむ。
2024年の出馬を期待する向きも
訴訟が不発に終わって決着がついたら、支持者たちはどこにいくのか。
前述の世論調査では、トランプ氏に投票した人の60%、共和党員の56%が「トランプ氏は次の大統領選に出馬すべきだ」と回答し、同紙は「忠実な支持者を維持している」と分析した。
ロイター通信などによると、トランプ氏は2024年の大統領選への再出馬表明やFOXに対抗する独自のニュースチャンネルの立ち上げを検討しているという。史上2位の7300万票を得て、8900万人のフォロワーを持つトランプ氏が自前のメディアを持てば、行き場所を求める支持者をつなぎとめ、囲い込むツールになりうる。
次の一手を探るトランプ氏やそれを待つ支持者をよそに、これまでトランプ氏を支えてきた共和党は目立った動きを見せていない。
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