「未知の大相場」がついに始まったかもしれない この株高はいつまで続くと見ればいいのか
さて、そういう目で見ると、先日発表された10月のマネーストックM3(現金、銀行などの預金)の月中平均残高は、前年同月比7.5%増の1467兆8000億円だった。この伸び率と残高はともに統計開始以来最大であり、株高の大前提は変わっていない。
相場はまだこれからだが、日米の経済指標の確認を
では当面の株価はどうなるだろうか。先週の12日の日経平均株価は朝方237円高となったが、さすがに一服感が出て後場しばらくはマイナス圏に沈んでいた。しかし、引けは171円高で、11月相場で誰も予想していなかった「驚異の8連騰」となった。
その結果、株価と25日移動平均平均線との乖離率は7%超となり、「25、75、200日移動平均」のそれぞれの乖離率を合計した総合乖離は30%を超えた。
実は、同じように急騰して2万3000円に乗せた今年の6月8日と9日も総合乖離は30%を超えたが、このときは、急速に低下し、7月31日にはマイナス3.5%になった。
これを日経平均で示せば、6月高値2万3178円に対し7月安値は2万1710円で、1468円の下げとなった。今回も同様のリズムになるのか、しっかり観察したい。異常な移動平均乖離率は、必ずしも株価の方向を変えるものではないが、その場合もあるので、いずれ売り抜けようと思っている投資家は、頭の隅に入れておくといいだろう。
筆者は前回のコラム「もし株価が下落したらどうすればいいのか」にも書いたとおり、当初11月相場は「神経質な展開で、年末年始相場の『エネルギー充填のとき』」と思っていた。だが、予想外の展開で「バイアンドホールドで我慢、我慢」と申し上げて来た身としては、うれしい誤算である。
だが、相場はまだこれからだ。熱くならずにゆっくり行きたい。先週は日米とも企業の決算が大量に発表されたが、重要な経済指標の発表は比較的少なかった。
しかし、今週は経済指標で忙しい1週間だ。16日は前述の7~9月期GDP速報値に続き、10月中国工業生産高及び小売売上高、11月NY連銀製造業景気指数などがある。17日は10月のアメリカ小売売上高など。また19日は11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などが発表になる。
さらにカネ余りで、コロナの影響をまったく受けていないように見えるアメリカの住宅景気に変化がないかを見るためにも、17日の11月住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、18日の10月住宅着工件数、19日の10月中古住宅販売件数の3指数の数字を確認しておきたい。
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