「未知の大相場」がついに始まったかもしれない この株高はいつまで続くと見ればいいのか

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かたや日本経済はどうなっていくのか。11月16日は、寄り付き前に内閣府から7~9月期のGDP速報値が発表になる。4~6月期のGDPが前期比年率換算で28.1%減と大幅に落ち込んだこともあり、そのリバウンドで、予測値の平均は10%台後半の増加となっている。

全般的に、コロナ感染拡大が顕著でも回復しているアメリカほどの力強さがあるのか懸念されていることも確かだ。その反面、日本でも最近の感染拡大のなか、Go Toトラベルキャンペーンなど経済との両立を目指す政策の効果で、意外な数字も期待される。

事実、10月の景気ウォッチャー調査では、景気動向指数の現状判断DIが54.5と、2014年1月以来の高水準となっている。これには、コロナに立ち向かう国民の、前向きな姿勢も感じられる。

今の相場は株をマスクに置き換えればわかりやすい?

それがコロナ再拡大の導火線にならないことを祈るばかりだが、皮肉なことに、最近の株式市場は再拡大のリスクよりも、すでにコロナ対策の政策出動を見越して買われ、新型コロナウイルスが株価上昇の好材料になっているのが現実だ。

現在は、コロナ対策の財政出動でカネが増えて、それに見合う株が不足したための株高だが、株をマスクに置き換えて見れば少しわかりやすいかもしれない。

つまり、こんな感じだ。急激なコロナ需要で、不足した時はそれこそ1枚100円以上のマスクを奪い合った。だが、今や店頭に山積みされている「10円マスク」を買う人さえ、まばらだ。

これはすでに大量に買って手元に抱えているからで、恥ずかしながら筆者も「100円マスクの家の在庫が早くなくならいか」と思いながら毎日使っている。一方、マスクは目いっぱい買ってしまったが、株のほうは、まだ満腹までに買ってはいない。このように、マスクの経験を基にして、株高がどこまで続くか、どこで天井を打つか考えて見るのも面白い。

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