日本企業でDXをうまく進められない本当の理由 デジタル組織には「GAFAな働き方」が必要不可欠

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今、注目を集めているデジタルトランスフォーメーション(DX)について解説します(写真:metamorworks/PIXTA)
ドワンゴが運営しているニコニコ動画・生放送のインフラ改革が行われた。年間50億円を費やしていたインフラコストを33億円までに下げながらも、高画質化を実現するという計画だった。3年で終わらせる予定であったが、実際には1年前倒しで終わった。この改革にドワンゴのインフラチームの部長として取り組んだ各務茂雄氏。デジタル技術とマネジメントの関係に精通している各務氏が『世界一わかりやすいDX入門 GAFAな働き方を普通の日本の会社でやってみた。』を上梓した。今、注目を集めているデジタルトランスフォーメーション(DX)について解説していく。

デジタル技術と合理的なマネジメントの融合

デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質とはなんだろうか。最近、新聞の紙面を賑わしているが、この本質を理解している方は少ないのではないだろうか。

『世界一わかりやすいDX入門 GAFAな働き方を普通の日本の会社でやってみた。』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

多くの方は、「IT技術を導入して、仕事をデジタル化する」くらいに理解していると思う。DXに関する知識としては間違ってはいないが、それが本質ではない。

「ECサイトの構築・集客」「サブスクリプションサービスの構築」に成功した事例をDXの成功事例と取り上げているケースも多い。しかし、デジタルビジネスの成功=DXの成功ではない。

経営者の「わが社もDXをやる!」というひと言に対し、前述の「サブスクリプションサービスの構築」であったり、「リモートワークの推進」あるいは「バックオフィスのデジタル化」であったり、企業によってゴールが異なることが多い。

本質も、ゴールもはっきりしない、DXとは一体何なのだろうか?

DXの本質は「デジタル技術と合理的マネジメントの融合」である。もう少し具体的に言うと、「企業がもつアナログな強みを活かしつつ、デジタル技術をテコにして、新しいビジネスモデルを考え、それを遂行するのに最適な仕事のやり方を探すこと」がDXの本質になる。これが理解できれば、企業によってDXのゴールが異なっていることも理解できるはずだ。

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