同社は2018年3月に公表した「技術ビジョン」で、①さらなる安全と安定輸送の追求 ②魅力的なエリア創出の一翼を担う鉄道・交通サービスの提供 ③持続可能な鉄道・交通システムの構築……という3つの「概ね20年後のありたい姿」を示し、「現状とありたい姿のギャップから取り組むべき課題を明確化し、その課題を解決していく手段として技術を活用する」と決めた。
オープンイノベーション室の五十嵐翔太さんは「社外の技術をどんどん活用して開発を加速させ、新たな価値を短期間で創出する」と意義を強調する。ありたい姿と現状とのギャップ(課題)にあるニーズを吸い上げ、「シーズ」と呼ぶ社外のメーカーやJR他社、大学、ベンチャー企業の知見を取り入れて技術ビジョンにつなげるのがこの部署の役割だ。
ブレーキ臭のテスターが「臭いの可視化」だとすれば、「音の可視化」もある。きっかけは2017年12月に発生した新幹線「のぞみ34号」の台車トラブルだ。同社所有車両で走行中に車内で異常が感じられたにもかかわらず運行を継続。台車に亀裂が入っていたことがわかり、新幹線初の重大インシデントに認定された。
異常走行音をマイクで検知
同社は山陽新幹線の線路脇にマイクを設置。列車走行音を収録し、正常な音を人工知能(AI)が学習、通常と異なる音が交じった場合に指令所にアラートを通知する仕組みを試験的に導入した。工場の生産設備などで用いられるNTTデータの異常音判別モデルを活用。「検知自体は月に2回程度だが、その都度、波形のようなものを用いて台車の異常ではないと司令員が判断している」(五十嵐さん)そうだ。
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