生理前に「精神の乱れ」で苦しむ37歳女性の日常

子どもを出産した後、夫との関係に悩み続けた

息子が「ねえねえお母さん!」と何度も呼ぶ声に下の子の泣き声が重なると、久保さんは自分が責められているように感じた。そのため、ついキツい言葉を返してしまい、息子は泣き出す。泣いている子どもたちを前に、久保さんは自己嫌悪とパニックで自らも泣き出した。

平日はほとんど久保さんのワンオペ状態だった。夫は残業が多く、母子3人が寝静まってから帰宅。朝は久保さんのほうが早く家を出、保育園へ子どもたちを預け、仕事へ向かった。

この頃から久保さんは、希死念慮がわくようになる。

「1人でいるときに、ふと『ああ、今なら死ねるな』と感じることや、家事や育児がままならず、でも誰にも助けを求められないような閉塞感のある状況のときに、風船が破裂しそうなイメージで、死にたくなることがありました」

寝る前、無意識に「死にたい」と呟いてしまうこともあり、夫に嫌な顔をされた。

そんな頃、長男の3歳児検診があり、久保さんは保健師の前で号泣してしまう。

「育児がつらいのですか?」と聞かれ、「まだ赤ん坊の下の子にもイライラして、大きい声を出してしまうことがあるんです」と話すと、保健師から「PMSなのでは?」と言われた。

そして長女が2歳になる頃、夫は「一度距離を置きたい」と言って、アパートを借りて出て行ってしまう。

久保さんは引き止めたが、夫の意志は固く、止められなかった。

婦人科、カウンセリングを経て精神科へ

別居開始後、久保さんはPMSの治療に力を入れている婦人科を探して受診。医師は、「ピルは効果が出るまで時間がかかるので、半年は続けてほしい。効果が出なければ自律神経の問題かもしれない」と説明し、低用量ピルや卵胞ホルモン剤を処方。

一方夫は、「夫婦ゲンカの原因は自分かもしれない」と思い、会社の福利厚生で利用できるカウンセリングルームに通い始めた。カウンセリングルームの臨床心理士は、相談内容が夫婦のことだったため、夫婦で一緒に来ることを勧め、久保さんはそれに応じた。

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