キリギリスは思考の自由度が高い 「固定次元」のアリから「可変次元」のキリギリスへ

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
拡大
縮小

イメージをつかむために、次のマッチ棒パズルの問題を考えてみてほしい。

【マッチ棒6本を使って正三角形を4つ作るにはどうすればよいか?】

この問題はマッチ棒パズルの「常識」とも言える、「平面」の2次元の世界だけで考えていては簡単には解けないが、「高さ」を持たせて3次元空間で考えるという選択肢を思いつけば、すぐに解答にたどり着けるはずである(解答例:「正三角錐」を作る)。

さらに、2次元を3次元に上げることによって「解けない問題を解く」別の例を、「アリとキリギリス」の比較によって行ってみよう。

アリが1匹、「壁」のようなもので囲まれている状況を想定する(下図)。

壁の高さはアリの体高よりは何倍か高いために、アリには単なる(上限の見えない)「塀」に見えている。その外側にアリの好物が置かれており、そのにおいから、アリは「塀の外側」に何か魅力的なものがあることだけはわかっている。

さて、このアリは餌にありつくことができるだろうか?

少なくとも何らかの「飛び道具」を使わないかぎり、アリはその塀の外側に出ることはできないだろう。アリの行動範囲は基本的に平面上の移動という「2次元」の世界だけだからである。

ではこれがキリギリスだったらどうだろう? 「ジャンプする」という、文字っどおりの「跳び道具」を持っているキリギリスにとって、塀は簡単に超えられる。

これはキリギリスが「高さ」というもうひとつの次元を移動することができるからである。

次ページアリは同じ土俵で「いかに戦うか」を考える
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT