老舗「ヤシカ」復活に見るブランドビジネスの新世紀--連敗・電機業界の新たな切り札となるか

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 下図のU字線は「スマイルカーブ」と呼ばれるもの。一般的な電機製品では生産工程の最も川上の研究開発分野と、川下の販売・ブランド戦略で付加価値が高く、真ん中の組立生産が最も低付加価値であることを示している。

日本企業は組立生産に続いて、材料・電子部品の生産でもアジア勢の追い上げを受けつつある。具体的にはリチウムイオン電池やセラミックコンデンサーといった分野で、韓国サムスン電子などの市場シェア上昇が顕著だ。こういった分野での競争力強化も必要だが、ブランドや技術特許を企業資産としてビジネスにつなげる試みも必要だ。

国際貿易投資研究所のデータによると、商標権など特許等使用料の日本の国際間収支は08年、73億ドルの受取超過で世界2位だった。数年前の支払超過、つまり“知財貿易の赤字国”状態からは脱したが、首位の米国の649億ドルには依然遠く及ばない。ヤシカに続くブランドビジネスが日本で実を結ぶかどうか、これからが知恵の絞りどころだ。

(杉本りうこ 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

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