ホンダeに見た車が「ガジェット化」する未来 ホンダらしい「走る大人のオモチャ」の実力

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運転席に座ってガジェット好きを喜ばせそうなのが、横一列に並ぶ5つのディスプレイだ。運転席正面のメーター部に8.8インチディスプレイを置き、ダッシュボード中央には12.3インチを2面配置。さらに、左右の両端にはサイドミラー用カメラの6インチディスプレイが、それぞれ設置されている。これがドライバーを含む乗員とのさまざまなインターフェースとしての役割を果たすのだ。

センター部にある2つのディスプレイは、継ぎ目をあまり意識させないような工夫が施され、スクリーンセーバーを起動したときは、まるで超ワイドなディスプレイのように見える。これを生かして、魚が泳ぐ水槽のスクリーンセーバーを映し出したり、試乗のときは壁紙として一足早い紅葉の風景も見せてくれたりもした。

このシステムの開発に携わったオートモービルセンター第10技術開発室の安藝未来さんは、「ディスプレイを水平に並べたことで人の視野にも入りやすく、また情報を得るのにもわかりやすくすることに気を配った」と話す。

音声操作の「AIエージェント」を搭載

もちろん、別々の情報を同時に表示することも可能で、必要に応じて画面の左右入れ替えも可能。これにより、例えば目的地設定の操作を助手席に座っている友人やパートナーにお任せして表示の左右を入れ替える、といったことが可能になる。ただ、このマルチタスクを実現するには、多くの壁があったようだ。この機能は、“走行中でも操作可能であること”を意味するからだ。

「この提案に設計からは猛反発された。ただ、10年後かその先に自動運転が現実のものになったとき、クルマに大きなディスプレイがあるのは当たり前になる。助手席だけに表示するプランもあったが、シティコミューターなら1人で乗ることもあるため、アプリを使いやすい位置に移動させる、このスタイルに落ち着いた」(安藝さん)

これを実現に至らせたのは「ホンダ・パーソナルアシスタント」の役割による部分が大きい。これは、AIエージェントがドライバーの発話した意図を理解し、複雑化していく機能に対するドライバーの負担を軽減するというものだ。

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