「MAZDA3」発売1年、挑戦の稔が見えた通信簿 「引き算の美学」と「SKYACTIV-X」の成果
2019年5月末に日本での販売をスタートした「MAZDA3(マツダ・スリー)」。トヨタ「カローラ」やスバル「インプレッサ」などと同じ「Cセグメント」と呼ばれるクラスに属する5ドアハッチバックとセダンだ。
その前身は「アクセラ」で、さらに遡れば「ファミリア」である。ファミリアといえば、1980年に発売した5代目モデルが「陸(おか)サーファー」という流行語を生み、真っ赤なボディカラーとともに大ヒットしたことを覚えている人も多いだろう。
同車は社会に大きな影響を与え、1980年にスタートした「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の初代受賞車にも選ばれている。
あれから40年。幾度ものフルモデルチェンジを経た後継モデルであるMAZDA3に触れると、品質感、快適性、走行性能、そして安全性などクルマが全方位で大きく進化したことを深く実感する。
MAZDA3という呼び名は、日本では2019年5月発売のモデルからだが、実は海外ではすでに4世代目。もともと「アクセラ」は日本独自の呼び名で、海外向けは20年近くにわたりアクセラと同じモデルをMAZDA3と呼んでいた。現行世代になり、日本も海外向けの車名に統一したというわけである。
「かつては、日本では数字の車名が馴染まないと考えていた。しかし、時代が変化し、日本でも受け入れてもらえると判断し、車名を世界で統一する意味もあってネーミングを変更した」とマツダは説明する。マツダはその後、「アテンザ」を「MAZDA6」、「デミオ」を「MAZDA2」へとそれぞれ改称している。
「引き算の美学」で生まれたデザイン
アクセラからMAZDA3へのフルモデルチェンジは、車体の骨格となるプラットフォームをはじめ、多くのメカニズムを刷新したものだ。しかし、MAZDA3のハイライトはなんといってもデザインだろう。美しさが際立っているのだ。
「ファストバック」と呼ぶ5ドアハッチバックは、流麗さが際立つとともになんとも艶やか。なだらかに傾斜するリヤウインドウや、太いCピラーが特徴だ。同社がテーマとする「引き算の美学」のデザインは、シンプルな造形に美しさが込められている。
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