野田聖子「女性のためだけの政策なんてない」 バランスの取れた国を作るために必要なこと
──私もそれが問題だと思いました。総裁選では、子育てとか私たちに身近な話が全然出てこなかったですよね。ご著書などを読ませていただく中で、野田さんはいい意味で、本当に女性の方だなと感じていました。
野田:有権者にとって政治は男の人がやる仕事だという先入観があると思います。政治家に女性がいることが国民の得になるという発想が生まれてこないから、同じ問題意識を共有する仲間を増やせないというのはあります。自民党の女性議員は衆参両院合わせて40人ぐらいで、すごく少ないですよね。
女を捨てて生きてきた
──野田さんは男化していない女性ですよね。
野田:私も26歳で県議会議員になったころは男化していました。そのころは、「政治家は男の仕事だから女を捨てろ」って言われて、私も本当にそうだと思っていたんです。周りに女性がいない職場で、しかも父親世代の人が多いところなので、そういう人たちは女性が男性よりも劣っているというのが前提なんです。
だから私も、男性よりもお酒が強くなきゃいけないとか、男性よりもたくさん働かなきゃいけないとか、女性としての自由は奪われてもしかたないという発想で40歳ぐらいまできました。実際に支援者の方からは、ピアスをすることも髪を伸ばすことも許されず、まして結婚なんてありえないと言われていました。
──どうして女性に戻れたんですか?
野田:50歳で息子を産んだのがきっかけです。本当はもっと早く結婚してお母さんになりたかったんですけど、37歳のときに郵政大臣になったら、応援してくれている人たちが「結婚しなさい」って言い始めた。「え──、今までだめって言っていたじゃない」と思ったんですけど、応援している人からすると大臣になれたというのは1つのゴールだったんですね。
それでとても遅いスタートだったけれど、ママになりたいと思って不妊治療を始めました。当然、時期が遅くてとても苦労してしまって。卵子をいただくことで、自分の血はつながっていないけど自分のお腹で産むという形でママになりました。
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