日経平均1万4000円台は、魅力的な水準 日本株市場は、こう着状態からいつ脱するか

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筆者の見方と異なり債券市場では、国債の金利低下が続いているわけだが、この動きを招いた一つのきっかけは、ECBによる追加金融緩和への思惑だろう。欧州の景気指標は悪くないが、欧州のデフレリスクが懸念される状況は、世界的な景気停滞を意味し、それなら長期金利の低下余地がある、という解釈だ。

長期金利低下は、いつまでも続かない

そして、FRBのテーパリング開始への期待から、2013年後半に起きた長期金利上昇がそもそも行き過ぎていた、という思惑を浮上させているのかもしれない。あるいは、テーパリングを粛々と進めるFRBの政策判断が間違いで、米景気の減速が続くため、2%台の長期金利水準は正当化されるという考えになるだろう。

ただ、先に示したような、各国の経済指標の動きを冷静にみれば、この見方は筆者には悲観的過ぎるようにみえる。米経済は、雇用、企業景況指数の改善に加えて、2014年に入ってから銀行貸し出しの伸びが大きく拡大するなど、量的緩和による景気刺激効果が強まる兆しもみられる。

長期金利低下のトレンドがどのタイミングで終わるかは、正直わからない。だが時間の問題ではないだろうか。6月初旬のECB理事会において、追加金融緩和はほぼ市場コンセンサスになりつつある。理事会のイベントを通過し、ECBの金融緩和に対する思惑が落ち着けば、市場の視点は米国の底堅い景気指標に移る可能性がある。これをきっかけに、日本株はこう着状態から抜け出すかもしれない。

村上 尚己 エコノミスト

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むらかみ なおき / Naoki Murakami

アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。

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