仕事のできない人は根拠が何かをわかってない 意外と知らないロジカル・シンキングの本質

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ところでグロービスは、「ロジカル」に考えるためにいちばん重要なことは「根拠」をしっかり考えられることだと主張している。確かに、どれだけ伝えたいことがあったとしても、「根拠」を示すことができなければ伝わるはずもない。そこで、「根拠」について、なにを意識すべきなのかということに目を向けてみたい。

根拠を具体化する

根拠には具体性を持たせるべきだが、そのためにはどうしたらいいのだろうか?

例えば、新設された部署に配属されたとしよう。課長から早速、「キックオフのための合宿を企画してほしい」と依頼された。どこへ行くかを決めなければならないため、箱根を候補とし、その根拠を2つ考えてみた。さて、どちらの説得力が高いだろう?

A:多くの社員が行きたいに違いないので、部門合宿は、箱根がよい
B:多くの社員が行きたいと言っていたので、部門合宿は、箱根がよい
(8ページより)

Aの「行きたいに違いない」は、自分の推測なので主観である。一方、Bの「行きたいと言っていた」は客観的事実。根拠が主観によって支えられているか、客観的な事実で支えられているかの違いがあるということだ。

当然ながら、多くの人が納得できるのは、主観よりは客観。したがって、主張を支える根拠としては、客観性のある事実を示す必要がある。

(出典:『入社1年目から差がつくロジカル・シンキング練習帳』)

B「多くの社員が行きたいと言っていたので、部門合宿は、箱根がよい」をさらに具体化するためには、「“多くの社員”とは具体的に何人で、社員全体の何割程度にあたるのか」「『行きたいと言っていた』とは、どのような状況での発言なのか」について説明すべきだということ。

客観的な事実をさらに具体化すれば、説得力をより高められるからだ。

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