ダボス会議で最高のスピーカーは誰か 田坂広志 多摩大学大学院教授に聞く(1)
――スピーカーと聴衆との「真剣勝負」ですか?
ええ、ダボス会議のような世界のトップリーダーの集まる場では、聴衆とスピーカーの間に「極めて高度で静かな真剣勝負」が行われているのです。そして、その真剣勝負において重要になるのが、このサルコジが示した「胆力」です。
「胆力」こそ、リーダーの話術に不可欠
その意味で、彼は、なかなかの「胆力」を持っていた。
そして、実際、ダボス会議のロビーなどで彼とすれ違うと、小柄な体ながら、エネルギーに満ち溢れています。ある種の「迫力」がある。そのエネルギーは、やはり「胆力」と結びついているのです。
しかし、残念ながら、最近の我が国の政治家や経営者には、この「胆力」を感じさせる人物が少なくなりました。いや、そもそも、政治家や経営者の中で、この「胆力」という言葉が「死語」になってしまっている。
だからこそ、これからの時代をリードする若い世代の方々は、リーダーとして「話術」の修業を深めるとき、この「胆力」という力量についても、一度、自分自身を見つめ直していただきたいのです。
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