剥落したトヨタ高品質の評判、米工場進出各地から支援の声も、トヨタ車オーナーの失望深く
「古いレクサスを持っているけれど、もうトヨタ車は買わないよ。仕事が忙しいのに、リコールのたびにディーラーを訪れる時間はないんだ」と営業職のサム。彼は、妻と子供たちとともにフォードのディーラーを訪ねた。「5年間無利息のローンや補償期間の延長などトヨタはいろいろやってる。価格も下がっている。でも、車の定期的な検査は行わないと。故障のない、性能の良い車が必要なんだ」。
スタンフォード大学のある教授は、夫婦でプリウスの2010年製と07年製の2台を所有している。「環境に良く、故障の少ない素晴らしい車と信じて買ったのに。本当にがっかりした。トヨタは05年に既に欠陥を見つけていたのに、直ぐに対策を取らなかったのはよくない」
教授が大学周辺を運転中、道路の穴ぼこに出くわすと、プリウスが急激に加速したことが何度もあったという。教授は最近、ディーラーに持っていって修理をした。
「トヨタが、欠陥に対して迅速に対処していれば、ここまで大きな問題にならなかったはず。だれでも失敗することがあるのだから、誠実に対処し、失敗から学んで努力することこそ正しい企業姿勢なのに」と、とても残念そうだ。
環境保護に熱心なスタンフォード大学のキャンパス内駐車場では、プリウスをあちらこちらで目にする。日系米国人の権利を守った教授たちがいた国際的なスタンフォード大学のトヨタ・オーナーたちは皆、今回のリコール問題で、気落ちしているに違いない。
著名人の中にもプリウス・オーナーは少なくない。アップルコンピューターの共同設立者、スティーブ・ウォズニアックは、プリウスを4台所有する。そのうちの10年製プリウスが、クルーズコントロールを使っていた際、アクセルも踏まないのに高速になったという。ブレーキも利かず、たいへん怖い思いをしたそうだ。
ウォズニアックは、早速、 トヨタ、そして米道路交通安全局(NHTSA)に訴えたものの、 相手にしてもらえなかったという。「ボクの車は今、調査のため、持っていかれた。どんなものにも欠陥が起る可能性はある。次に新しいものが出てきたら、僕は買うね」と語っている。