剥落したトヨタ高品質の評判、米工場進出各地から支援の声も、トヨタ車オーナーの失望深く
オーナーを落胆させたトヨタだが、何も対策を打っていない訳ではない。サンフランシスコ近辺のとあるトヨタ・ディーラーはこの1週間に約150台のリコール修理を扱ったという。
米国トヨタは、リコール対象となっているトヨタとレクサスのカリフォルニア州のオーナーに対して、自動車を自宅前で回収するなど、ディラーの出張サービスを行うほか、修理中に使うレンタカーなどの料金を払うという。
リコール対象車の修理にかかる時間は約30分だけ。だが、大都会を除き公共交通機関が発達していないアメリカでは、自動車はなくてはならない日常の足。ディラーが車を修理中、トヨタ車オーナーの仕事場や子供の学校への送迎にレンタカーを用意したり、タクシーなどの料金をトヨタが持つ。
トヨタはカリフォルニア州だけでなく、ニューヨーク州、そして全米のリコール対象のオーナーたちにこうした対応をしていく。ベイエリアに住むジムは「リコールはがっかりだったけれど、この処置は本当に助かるし、嬉しいサービス」と評価する。
こうした中、トヨタが24年前から進出し、約7000人を工場で雇用しているケッタッキー州や、インディアナ州、テキサス州ではトヨタ擁護の声も上がっている。ケンタッキー州のランプシェード知事らは議会に対しトヨタを擁護する書簡を送った。
ランプシェード知事は「今回のリコール問題は必要以上に騒がれすぎだ。トヨタのこれまでのアメリカ社会への貢献がきちんと評価され、公平な扱いを受けることを望んでいる」と語る。トヨタは日本企業ではなく、アメリカの企業なんだと、地元民からの声もある。