新しい「iPad Air」進化を遂げた4つのポイント 「iPhone 12」より処理性能が高速という結果に

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新しいTouch IDは側面のボタンに内蔵された。マスクを外さず生体認証が可能な利便性がある(筆者撮影)

これまでTouch IDは丸いホームボタンに内蔵されていた。しかし新型iPad Airではかなり大型化された細長いトップボタンに内蔵された。指紋読み取りのため、トップボタンの平面は広げられ、縁には指が触れたことを検知する金属、その内側はサファイアクリスタルが仕込まれた。

レビューした機材はライトブルーだったためか、サファイアクリスタル部分も淡くブルーに染められているように見える。

iPad完結のワークフロー拡大

iPad Air発売の直前、ロサンゼルスからの中継で世界最大のクリエイティブの祭典「Adobe MAX」がアメリカ時間10月20~22日にオンライン開催された。プレゼンテーションの中で、AdobeはiPad向けアプリの充実と、iPadを用いたデモを多用し、ある意味で新しいクリエイティブの中心的なデバイスとして位置付けている様子を見せた。

定番画像編集アプリ「Photoshop」と日本でも人気が根強い「Illustrator」がiPad対応を果たし、クラウドを通じてパソコンとファイルが共有され、2020年の新機能として、クラウド上の作品を友人やコラボレーションを行うチームメンバーに共有しながら編集することができるようになった。

Magic Keyboardに装着すると、好きな角度に変え、最適なポジションでタイピングをすることができる。Apple Pencilでの書き込みもできる(筆者撮影)

さらに、写真編集・現像アプリ「Lightroom」、ビデオ編集アプリ「Premiere Rush」、絵筆の再現に長けたドローイングアプリ「Fresco」と、一連のクリエイティブアプリはすでにそろっている状態で、加えてよりカジュアルに画像やビデオを作成できる「Spark」アプリも機能強化が続く。

クリエイティブ作業ですら、iPadとクラウドによって、パソコンに頼らないワークフローを構築し終えているのだ。チャット、ビデオ会議、ファイル共有、文書作成など、BtoBサービスもモバイルアプリをほぼ必ずリリースし、iPadでのシンプルな仕事環境の実現を助けている。

iPad Airにはまだ、パソコンほどの自由度はないかもしれない。しかし、パソコンとは異なる方法で、すでに仕事やクリエイティブの中核を担うデバイスとして成熟しており、単にユーザーがそれに気づいて取り入れるかどうかの問題なのだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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