座席は「新幹線超え」、リニア改良試作車の実力 車両開発は進むが開業時期は見通せないまま
従来のL0系の荷物棚は、東海道新幹線と同様、キャリーバッグ程度の大きさの荷物を乗せられるサイズだが、「カント(カーブの傾斜)が大きい場所では、荷物が大きいと落下するリスクがある」(JR東海)ため、キャリーバック大の荷物は、改良型試験車では座席の下に置けるようにした。さらに大きい荷物は車端部にある大型荷物スペースに置くようになっている。
L0系の車内は東海道新幹線のデザインを継承しているように感じられたが、改良型試験車の車内は東海道新幹線よりも進化した印象を受ける。その理由は照明などの工夫もさることながら、座席のデザインにある。
座席は新幹線よりゆったり
改良型試験車の座席は先頭車、中間車とも共通だ。従来のL0系の座席はN700系を思わせるブルーの配色だが、軽量化を重視したせいか、やや華奢な印象があった。しかし、改良型試験車の座席はグレーとブルーの2色で新幹線とは異なるイメージになったことに加え、耳が当たる「バケット」を大きくして重厚感が高まった。
それだけではない。従来型の座席と比べ、幅は45.5cmから47.7cmへと約2cm、奥行きが40.5cmから44.5cmへと約4cm広がり、背ずりも1m09cmから1m23cmへと14cm高くなったことでゆったりとした座り心地になった。座席の幅が広がった分、通路がやや狭くなっている。東海道新幹線の新型車両「N700S」の普通車の座席幅(B席除く)は44cm、グリーン車の座席幅は48cmなので、座席の大きさだけでいえばグリーン車なみといえる。
また、リクライニングも従来型は背ずり単独だったが、改良型はN700Sの普通車座席と同様に座面連動型に変わったほか、従来型はスポンジのみだった背ずりクッションをばねとスポンジの多層構造として、「ソファのような座り心地」を実現した。
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