菅首相が「よさげな改革」に固執するのは危険だ

下手をすれば国民からの支持を失いかねない

菅内閣は河野太郎行革相を前面に押し出して規制改革をアピール。だが筆者はそれだけだと国民の支持を失うリスクがあるという(写真:ロイター/アフロ)

菅政権が誕生して1カ月が経過した。菅義偉首相は、外交政策などは安倍晋三政権をほぼ踏襲する一方で能力重視の閣僚登用を行い、デジタル庁創設による行政機能強化、幅広い規制見直しに力を入れている。

「国民のために働く内閣」という菅首相の意思が明確で、これに対する国民の期待が大きいことが総じて高い支持率の背景にあると思われる。内閣は始動したばかりだが、規制改革推進会議が司令塔となって各政策を進めることが明確になり、はんこ・書面廃止などの行政手続きの見直し工程表がすでに報じられている。

新政権は官僚機構を「一段と動かす体制」に

また、首相官邸の陣容をみると、実績を挙げた官僚を重用する姿勢が明確で、かつ官僚機構を動かす体制が強化されたとみられる。安倍政権では、首相との関係が強い実力者が官邸のメンバーになり政策実行の主軸になっていた。

一方、菅首相自身が官房長官として霞が関との関係を構築してきたので、政策ごとに実働部隊となるメンバーを使い分けると見られる。その分、政策遂行能力が高まるとみられ、行政組織を横断するデジタル化を推進することで同時に縦割り問題の改善も期待できるだろう。

「霞が関」の縦割りを排除してデジタル化を進めることは、省庁や地方政府ごとに行われていたIT投資の一元化が進む可能性がある。

これは、新型コロナショックへの対応として安倍政権が発動した現金給付がスムーズに支給されなかった問題の反省を生かして、行政機能を向上させる重要な対応である。

さらに、地方政府を含めた広範囲なITインフラを構築することで、システム投資一元化による行政コストを抑制する効果も期待できる。これは、「均衡財政」を金科玉条とする一部官僚が、政権内で力を発揮するインセンティブにもなりうる。

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