菅首相が「よさげな改革」に固執するのは危険だ

下手をすれば国民からの支持を失いかねない

金融市場の観点から見ると、解散総選挙が2021年に先送りされる可能性が高まったことで、新型コロナ対応や規制改革に取り組む菅政権のお手並み拝見という雰囲気が強まっている。そして、後述するが、これらの政策対応だけでは、外国人投資家が日本株への投資判断を積極化させる可能性は低いだろう。

一方、日本学術会議の一部の会員任命を菅政権が行わなかったことが、メディアで大きく報じられるとともに、野党などが菅政権を批判する材料となりつつある。日本学術会議は行政機関であり、その会員任命は首相の責任によって行われる法体系となっている。菅政権が任命権を行使することは当然だと筆者には見える。

日本学術会議の問題は反対勢力による「政治ショー」

国会で議論すべきより重要な論点があると筆者は考えるが、選挙を控えてパフォーマンスを重視する野党勢力がこれを問題にしそうである。些細な事案を大きな問題に取り上げる政治手法は、近年のいわゆるモリカケ問題も同様で、冷静な議論は通じにくくなり、メディアの批判的な報道が強まりやすい。

これらが安倍政権の支持率低下をもたらしたが、今になって振り返れば、野党やメディアなどが「疑惑」として取り上げた、安倍首相などの関与などが本当にあったかはかなり疑わしいと筆者は考える。

日本学術会議の問題も、反対勢力による政治ショーではないか。投資家目線での筆者の関心は、この問題などへの対応を誤って菅政権が政治的ダメージを受け、それが次の総選挙に影響し、2021年に菅政権が早期に降板となるリスクがどの程度高まるかどうかである。

この問題は、そもそもアカデミズムの世界にいる学者が行政組織に携わるかどうかという、国民生活にほとんど関係ない事案だ。菅政権の一貫した対応が引き続き行われれば、大きな政治問題になるリスクはかなり低いと筆者は考えている。

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