労働組合はアタマが古すぎる

ゼンショー・小川社長が語る経営哲学(4)

会社においても、そうですね。たとえば同じ取締役でも、規模においてやるべきことが違ってきますよね。30億円のときと300億円のときと3000億円のときでは違うんですよね。適応していく人もあるし、小さい企業を切り回すほうが面白いという人もいれば、そこは適性じゃないですか。大事なことは、そこでお互いにダメだと言わないことですよね。

――ダメとは言わない。

たとえば30億円の取締役になっても、ダメだと言わないですよね。そっちの小さい企業を切り回すほうが向いている、適性があるだろうという人もいるということです。3000億円だと、ちょっといろいろストレスが多くて……。

――今、ストレスは多いですか。

ストレス、多くはないですけどね。

――古田さんにお話を伺ったら、結構おつき合いが長いですよね。「飲みに行って、どういう話をされるんですか」と言ったら、「いや、飲んだことは一度もないね」とおっしゃるのでね。小川さんはお酒を飲まれないんですか。

外で飲むって、ほとんどないですよね。自分の家で缶ビールぐらい飲むけど。

――やっぱりアルコールが入ると思考が鈍るとか、時間の無駄だとか。

僕は、ビジネスはお天道様の上がっているうちにやろうよというのが創業以来の持論で、暗くなってからどこかへ行って一杯やって、ああでもない、こうでもないとか、自分のタイプとしては嫌いなんですよね。マネジメントとか、そういう会社の体質が問題なので、アルコールが入らなくても正しいこと、思ったことは言うべきだし。そうでしょう。

――もちろん、そのとおりです。

お天道様が上がっているうちに、よく僕が議論したのかと言う。そこですよね。明るいうちに議論しないと、酒飲んで議論するというのは違うんじゃないのと。酒の勢いで無責任なことを言ったり、ストレス発散になる人もいるのかもしれないけど、それって違うんじゃないのというのが僕の考えです。

目標に向かって頑張ろうというのは嫌い

――会社の規模としては、どのぐらいまで目指したいというのはあるんですか。

昔からそうなんだけど、目標何千店とか、よくテレビでやっていたりしたけど、そういうのって僕は嫌いなんだよね。目標何兆円とか、みんなそこへ向かって頑張ろうみたいなのは嫌いで、基本的に言ってこなかったんです。

当然、上場してからは株主、世間に対して約束もしなきゃならないから、約束として中期計画は出していますけど、それ以上やりたいという意味においてミニマム5という名前にしているし、それは雑誌によって書く場合もあるだろうし。ただ、その心は何かといったら、10年前の2000年3月期が売り上げ174億円だったわけです。今期、3500億円ぐらいになりますと。20倍ですよねと。じゃ、10年後20倍にできなかったら、やっぱりおかしいんじゃないのと。

何がおかしいって、僕が一番おかしいけど、その頃やっているかどうかわからない。だって、174億円のときのヒト、モノ、カネ、情報、信用と今と比べたら、20倍じゃないんですよね。やってきた本人は一番わかっているけど。いろんな企業をご覧になっているから、すごくわかると思うんだけど、やっぱりこれはまったく違うわけでしょう。質という意味においても、量という意味においてもね。だったら、スタート台174億円から20倍、3500億円から20倍。

このスタート台は間違いなく、今のほうがヒト、モノ、カネ、情報、信用力が全然ある。全然あるのに飛べないとしたら、これは日本人の欠点でもあると思うんだけど、僕は大体において日本人は優秀だし、いいと思うんだけど、大きいことを言っちゃうと大変そう。ほら吹きみたいな。うちなんかみたいに言ってるほうが大人の態度で、さっきの労務問題じゃないけど、そんなのというほうがいいんじゃないかというDNAも強いわけよね。実際は、まず調和ありというね。

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