労働組合はアタマが古すぎる ゼンショー・小川社長が語る経営哲学(4)
まじめに働いている労働者が計算間違いか何か、ロアマネジメントで初期対応がまずかったかどうかわからない。関係者はそれぞれお互い言い分はあるわけだけど、そこでまた外部ユニオンに結びついてみたいな構造になったら、対応しろ、この野郎、街宣やるぞみたいな、何かヤクザみたいなやり方をされておいて、形式論だけ言えば団交どうのこうの言ってるけど、僕らからすれば、1960年代の最低の全国一般のやり方じゃないかと。
資本と経営は車の両輪
――役員の中に息子さん。やっぱり息子さんを後継者と小川さんは考えていらっしゃる。
それについての基本的な考えは、僕が42%持っているわけです。それは、もっと増資すれば比率は当然下がった。そういうやり方もあったんだけど、やっぱり私の基本的な考え方は、資本と経営というのは車の両輪だという考え方なんですよね。ですから、おカネには色がついているし、ましてや資本には色がついていると。
われわれの理念を達成するには時間がかかるから、安定経営をするための安定的な資本政策ということが長期的な経営を可能にし、安定経営に結びつくという考えで、いまだにというか、40%以上持っているんです。資本と経営の両輪の資本、要するにファンドなんかに売っ払わないで、ちゃんと継承すべしと。
――安定株主として自分が持つと。
われわれの理念を実現していく長期的な安定経営ということを一つ担保していくと。これだけじゃないですと。ここでまた、ガタガタしたのでは非常によくないなと。経営にとっても、従業員にとってもね。だから、ここの部分は資本の継承をやる人間がきちっと……。
――経営者も兼ねるということですか。つまり一族で社長を……。
社長とは言ってないですよ。少なくとも安定株主として機能すべきである、してもらいたいと。それをちゃんと機能させるためには、少なくとも取締役会に大株主、筆頭株主から入って、きちんと経営と資本を結びつけるという役割は果たしてもらいたいということが私の考えです。
――それを延長すると、息子さんが社長になるということになりますよね。
それはこれからあれじゃないですか。資本主義ですから。もちろん大株主としての議決権はありますよね。ただ、議決権がすべてじゃなくて、やっぱり経営と両輪ですから、経営のリーダーシップというものを誰がきちっと継承していけばいいのかということは、別の問題としてやっていけばいいんじゃないですか。
――(人材のヘッドハンティングを行う縄文アソシエイツ社長の)古田(英明)さんみたいな方を活用されて、優秀な人材も取締役にいっぱいいらっしゃってということだと思うんですけど、これからゼンショーDNAを一から育んだ人材をボードに入れたいという思いも……。
それはありますよね。
――急成長の過程では、外から優秀な人材を。
年齢的に今はそういう段階ですよね。役員をはじめとして、ベテランの経験者を外部から招聘したほうが戦力アップになるだろうということです。ただ、プロパーからも重要な仕事をやる人間が育ってきているし、どんどん出てきてほしいです。
――小川さんが創業されたときの部下の3人の方というのは、今もいらっしゃるんですか。
今、4人のうち2人です。僕ともう1人。
――ほかの人たちは途中で脱落ですか。
脱落でなくて、人間みんな、才能を持っていると。ただ、100%発揮できている人は非常に少ないよねと。だから、ゼンショーにおいて向かなくても、社会の中で向く仕事というのは絶対ある。そういう視点なんですよね。
そういう中で、1人は比較的早い段階に厨房メーカーかな。販売のほうに転職して、もう1人は今、自分で外食をやっています。居酒屋系かな。だから、脱落でもないし、やっぱり向いている仕事がほかにあるのであれば、それはそのほうがいいだろうし。