労働組合はアタマが古すぎる

ゼンショー・小川社長が語る経営哲学(4)

首都圏青年ユニオンとか、新左翼系もいろんな話を聞くわけです。そうすると、労災でカネを取るとか、在日の労働者がちょっとケガしても何百万円ふっかけるとか、それで自分たちも、そこから多額なあれを取るとかいうことをやっているらしいんですよね。それはいいことではない。だけど、メディアは、そういうことはいっさい伝えない。

外部組織が介入するのは古いやり方

――今年マクドナルドを抜いて、日本の中では一番になるゼンショーというのはそれだけの存在になるわけですから、かなり小さい問題とはいえ、起きたこと自体に対する内省というか、まったくゼロなのか。10年前と比べて全然規模が違いますけど、それぐらい目をつぶっていいということなんでしょうか。

そういうステージになってきたということは自覚していますし、そうだと思うんですよね。であるがゆえに、さっき言ったように、やはりおかしいことはおかしいと。

逆に僕は意識の上で、価値の源泉は現場で汗をかいて店舗を運営しているということだし、それを担っている人たちをリスペクトしている。だけど、だからといって甘やかすのではなくて、人間というのはちゃんとハードル、課題を与えるということも働き甲斐、生き甲斐につながる大事なことだと考えているわけですよ。だから、ある意味、厳しい環境でチャレンジしていくということが大変なことではなくて、人間というのはそういうものだと思うんです。

僕はよく言うんだけど、氷河期を生き延びてきたのは、みんなおれたちの祖先じゃないかと。みんな大変なことを克服してきたDNAがある。だから、毎日寝ていていいよと言われるほうが苦痛なわけであって、大変なことでも課題に取り組んでいくほうがやり甲斐がある、生き甲斐につながることなんだという労働観を持っているわけです。

であるがゆえに、外部労働組織なり政党組織が企業のメンバーに対して支援するという名目で介入してくるという構造自体が20世紀的というか、非常に古いやり方であって、政党もそういうやり方をしていると、いつまでたっても3%政党と。極少数派を免れないし、口先では統一戦線とか、僕らの若い頃から民族民主統一路線とか言ってきたんだけども、じゃあ、どう考えているのよと。戦略性と戦術性とが結びついてないから永遠の3%政党じゃないかというのは僕の見方なわけです。そこは現実の世界と共産党の官僚にしても、やっぱり接触機会が実際はないと。

昔からそうなんだけど、官僚主義、ビューロクラシーと僕らは言ってきたけど、ソ連なんか、その最たるものが崩壊しちゃったけど、やっぱり内部からの情報しか上がってこない。見ていると、悪い大企業である。こういうことがあると、大企業が労働者をいじめているんだみたいな、実態にそぐわない定型的な見方をしちゃうと。この面で言うと、マスコミも、まだ1950年代的な見方を継承しちゃっているというのが僕の問題提起ですよね。

――そういう面もあるんだけど、でも小川さん、ちょっともったいないと思いますよ。現場の厳しさは当然だし、もちろん利益追求するんだから、それだけの厳しさがないと話にはならないと思うんですが、これだけ大きくなられたわけだから、寛容というか、包み込むぐらいの力はあると思うんです。

じゃ、どうすればいいんですか。

――新聞記事にあるような解決法ではなくて、さっきも言ったように、少数組合として団交に応じてやるよと。それはそれでやっても、何の新聞記事にもならないじゃないですか。相手は、あえて突っぱねるほどの大きな存在ではないじゃないですか。と思うんですが。

それは一つの考え方かもしれないです。どっちかしかないわけです。もともとが悪過ぎましたね。どっちかといったら泥棒じゃないかというのがあって、さっきから言っているように、まじめな労働者の権利を守るのが労働運動だろうということがあるから、そこに首都圏何がしの少数労働組合、外部団体が介入してきたこと自体がものすごく矮小な構造なわけですよね。本線を外れているわけですよ。

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