労働組合はアタマが古すぎる

ゼンショー・小川社長が語る経営哲学(4)

勝手にほかのものを持ってきて食べたり、おにぎり4個ぐらい、いいじゃないかと言うけど、さらにそれが食材に混入しちゃったり、鍋の中に入っちゃったり、あるいは、食というのは命にかかわりますから、こっちもものすごいナーバスなわけで、1日4回棚卸しをやるとか、管理は気をつけているんです。いわゆる管理上だけじゃなくて、食の安全とか消費者に対する責任として、変なことがあってはいけないんです。

だから、ここは僕らにとってものすごい大事なんです。食材の管理、食品の管理ということ。ここに余計な手を出してはいけないんです。そういうものを含めて、そういう規律を乱してもらって困ると。このぐらい、いいじゃないかということから、企業が放置したら、問題が起きたらわれわれの責任ですから、そういう観点に立って……。

部分だけ取られて面白く書かれちゃうと、確かにおっしゃるようにそこはすごいレピュテーションリスクでもあるだろうけど、メディアの姿勢として、やっぱりこれはよくあることと言ってしまえばそれまでなんだけど、1800文字の中で30文字だけ取られたら、でも、書いてあるじゃないかと言われたらそうなんだけど、必要十分ですとかいったら全然そうじゃないわけで、そこはメディアにも考えていただきたいですよね。

何がすばらしいことで何がくだらないことなのかと、常にこういう価値観があるわけですよ。要するに企業とか、経営者とか、ザラ場を見るときはですね。そこのところは、言っては失礼だけど、そうとうメディアの意識改革をやってもらわないと、今までの定型的な物差しとか見方で小川賢太郎とかゼンショーを見たら、それは実像が伝わるのかなということがあったわけですよね。

日本というのはすばらしい国

――姿勢としては、こちらは理解しようとしていますからね。

それはありがたいですけどね。ただ、やはり僕らは愛国心とか国家ということを、どっちかというと否定する教育を受けてきて、そんなの右翼じゃないかとか言ってきたわけだけど、ある意味、これからの21世紀のグローバル社会の中では、やっぱり拠って立つ国、自分たちを育ててくれた国、自分たちがヘッドオフィスを置いている国。

日本企業でなくなるかもしれないとか言っている企業もあるけど、そうじゃないと僕は思うんです。グローバル化というのは、なおさら出所出自。どこの国から来たの、あるいはどういう文化なの、どういう哲学なのという背景が問われるわけで、それは日本というのはすばらしい国だと思うんですよね。

世界を見てみると、これだけの文化蓄積と技術蓄積を持っている国というのはないと断言できると思うんです。それは日本人がもっとプライドを持つべきだと思うし、メディアは世界の中でこれから日本の文化とか技術を発揮できるような環境づくりをやっていくということを僕は希望したい、期待したいんです。やっぱり世論が大事ですからね。ただ、そこはそうとう革新していかないと意識の古い、みんなで渡れば怖くない教育が長かっただけに、そこからの脱却は難しいと思いますよね。

――小川さんは昔から反米愛国という感じですか。

そんなことないです。ただ、やっぱり現行憲法はGHQ民政局が作ったものだし。だから、左も右も真ん中も、そういう現実からきちんと出発して、憲法というのは国民の総意だから、ストラクチャーの根幹だから、やっぱり自分たちで右とか左とか言うんじゃなくて、どういう国家像、どういう国のコンセプトなんだということはやっぱり議論すべきだし、その議論が排斥されていた時代が長かったじゃないですか。

局部的に憲法9条問題だとか、改憲阻止だとか、そういうフォーカスが限定されていたので、そうじゃないでしょうというところはメディアもやっていく時代になってきていると思うんです。また、できる時代になりつつあると思うんです。一時に比べればね。それが日本企業にとってもものすごい大事だと思いますよね。

GMが米国だと言ったときに、トヨタは日本だし、日本文化ですよね。日本の一つの成果であると思います。ゼンショーもそうなりたい。「食べられるトヨタになろう」という言い方もしているわけです。食べられたら困る(笑)。世界に食べられるものをやっていくわけですよね。やっぱりいい品質で信頼性があると。

トヨタのよさは安全性でもあるわけですし、ゼンショーの食べるもの、提供するものは安全でおいしいじゃないかということが世界で求められていることでもあるし、やっていきたいなと思うんですよね。それは日本の国を豊かにするメインストリームだと思うんです。労働運動をやってきた人は、そういう意味の新しい日本のステージの中で役割をもっと議論してほしいなと。政党も。

(撮影:今 祥雄)

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