ゼンショーが買収に動いたマルヤ社長の本音
牛丼店「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス(=タイトル横写真=)が、10月3日から1株150円で50%以上の株式取得を目指して公開買い付け(TOB)を実施している食品スーパー、マルヤ。マルヤはTOBに賛同を表明しており、創業者の新井誠一・最高顧問のほか、創業一族が社長を務める大株主のアライ興産および西町コーポもTOBに応じる方針だ(保有株数は3者合計で発行済み株式の37.7%)。
ただ、ゼンショーが上場を維持する方針であることを理由に、マルヤはTOBへの応募の判断は株主に委ねている。2008年に第三者割当増資に応じて1株235円で株式を取得し、22%を保有する筆頭株主のリサ・コーポレーション・ソリューション・ファンド投資事業有限責任組合はTOBへの態度を明らかにしていない。
4日の決算説明会に出席したマルヤの折原昭社長(=上写真=)は、TOBに賛同した理由について「ゼンショーがM&Aについて豊富な実績をもっており、今までとは違う方面、角度からアドバイスを期待する」と語った。主な質疑応答は以下の通り。
−−今回、同業の小売ではなく、外食企業を提携先に選んだ理由は何か。
公表はできないが、アライアンスについてはそれなりの数を検討した。交渉には私が当たり、業種にはこだわらずにさまざまな企業の経営者に会って話をした。ゼンショーの創業者である小川賢太郎・会長兼社長と何度か面談した結果、経営の方向性で意見が一致、バイタリティ面でも尊敬するところがあった。波長があっているというのが理由だ。またM&Aの実績が豊富なことも要素としては大きい。マルヤの企業価値をあげていくための新パートナーとしてゼンショーを選んだ。