ゼンショーが買収に動いたマルヤ社長の本音
−−ゼンショーの小川会長とどういった意見が一致したのか
マルヤのパート比率向上について一致した意見を持っている。われわれがパート比率向上を公言しても、なかなか踏み切れないのは正社員比率を下げ、パートやアルバイトを増やすと接客や店舗運営レベルが落ちてしまうから。今でも落ちているのに、これ以上落ちたら救いようのない状態になってしまう。
「すき家」は夜間営業などパートやアルバイトに頼る運営をしているが、彼らにも一定の接客力を植え付けることができている。こういった点についても力強くバックアップしていただける。なお、開示資料にあるように全従業員の雇用維持はTOBの前提になっている。
−−ゼンショー傘下で上場はどうするのか。
開示資料もあるように現段階では上場を前提にしたTOBだ。ゼンショーも当社も上場維持で一致。今後については経緯を見ながら判断する。筆頭株主のリサ・コーポレーション・ソリューション・ファンド投資事業有限責任組合には、TOBへの応募はそちらの判断にゆだねると伝えてある。
−−期待する相乗効果は
1つは食材の共同調達だ。特に青果部門、精肉部門のシナジー効果に期待している。今の店舗数ではかつてのような直接輸入は難しく、いくつかの卸先を経由して買っている。恥ずかしながら輸入牛肉を取り扱うにしても物量、タイムリーさにかけるところがある。ゼンショーの精肉の調達力に加え、青果については(ゼンショー傘下の)ユナイテッドベジーズが全国の小売店舗で売っているし、青果市場での仕入れ力もある。こうした共同仕入れはかなりのシナジーがでてくると確信している。