日本人がゾッとするアメリカ超監視社会の現実

データを集める警察を市民はチェックできるか

EFFのデータベース「監視の地図」(撮影:大矢英代)

デジタル時代の警察の監視システムをマースさんは「マス・サーベイランス(大量監視)」と呼ぶ。

「警察はあらゆる情報を大量の人たちから集めています。このうちの誰かがいつか犯罪を犯すかもしれない、という想定で。それらの情報を監視テクノロジーによって分析し、犯罪傾向などを示すアルゴリズムを生み出しています。しかし、アルゴリズムは正しいとは限りません。(誤った判断によって)マイノリティーのコミュニティーや特定の人種が集中的に逮捕される危険があるのです」

テクノロジーの発展による大量監視時代

マースさんは、ドローン(小型無人空撮機)の事情にも詳しい。データベース「監視の地図」によれば、現在、全米で1079の警察署が導入している。

「警察のドローン使用について調査を始めたのは8年前です。当時は、警察のわずかしかドローンを使っていませんでした。『犯罪や事件の現場撮影、レスキュー、マリファナの栽培地の発見などのため』と説明されていますが、問題は、抗議集会など市民が集まった場所でドローン撮影が行われていることです。このようなビデオカメラを使った警察の監視システムは10年前とは比較にならないほど発達しました」

10年前の監視カメラはモノクロで画質も粗く、警備員が見るだけの存在にすぎなかった。今は違う。高画質監視カメラは、信号機や警察車両など街中のあちこちに設置され、市民の日常を見張り続けている。その点は日本も同じだ。角度の変更やズームも遠隔操作によって可能であり、アメリカでは顔認識機能によって人々の顔を自動的に読み込んで分析しているという。

警察官が着用しているボディーカメラも、大きく変化した。ボディーカメラは、警察がからむ事件や事故の現場検証のためなどとして、オバマ政権下で普及したが、監視ツールとしての機能が年々増しているという。

制服に取り付ける「ボタン型カメラ」まで開発されており、警察官はそのカメラをつねにオンにしておけば、通りすがる人たちや職務質問中の人の顔を読み取ることが可能だ。市民の気づかないうちに動画を撮影され、顔認識機能でデータ解析をされているということだ。

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