自宅からも参列できる「オンライン葬儀」の実態 新型コロナが収束しても、普及し続けるのか

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なお、使用を申し込んだ喪家には、訃報案内をする人に対し、喪家専用のWebぺージにアクセスするために必要なQRコードもしくはURLを、訃報案内と共にFAXやメールなどで送ってもらうようにお願いしている。

同社では全喪家に利用を勧めているが、その背景には「葬儀は家族葬が増えてきて、会葬者がどんどん減ってきている。そうすると、人と人のつながりが減って、葬儀を行わない人も増えてきてしまう。それは、葬儀社として困ると同時に、無縁社会が拡大して人々が暮らしにくくなってしまうことも大きな問題だ。人と人のつながりが切れないように、全喪家に使用を勧めている」(志賀司社長)との理由がある。

スマートセレモニーの利用状況は、導入3カ月目の8月単月では、全葬儀件数のうち利用を希望した葬儀は76%。実際に利用した葬儀(供花、弔電、香典のうち1件以上の申し込みのあった葬儀)は16%だった。

この16%というのは、「新規に導入した商品・サービスは、3カ月目はだいたいこのような数値である。葬儀件数で見た利用率は16%だが、供花、弔電、香典は複数の申し込みが多く、全件数では250件を超える」と志賀司社長は話す。

メモリアルアルバムの閲覧も

2019年9月に創業し、葬儀社や僧侶の紹介事業などを手掛けるライフエンディングテクノロジーズ(東京都港区)では、オンライン葬儀サービス「スマート葬儀」を今年4月末から販売開始した。

葬式や法事にオンラインで参列できるほか、 香典のキャッシュレス決済や、弔電、供花、返礼品などの手配も可能。さらには、オンライン参列者は故人のメモリアルアルバムを閲覧することもできる。

スマート葬儀の販売・受注方法は、2パターンある。1つは、一般ユーザーが同社のホームページを見て、オンラインを利用して葬儀を行いたいと依頼するパターン。この場合は、同社が行っている葬儀社紹介サービス「やさしいお葬式」の提携葬儀社に依頼して行う。葬儀にオンラインがオプションとして付くという形になり、オプション価格は3万円(税別)だ。

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