自宅からも参列できる「オンライン葬儀」の実態

新型コロナが収束しても、普及し続けるのか

オンライン葬儀がいま広がりつつあります(写真:makaron* /PIXTA)

コロナ禍により、仕事や生活の場でリモート化、オンライン化が進んでいる。葬儀・供養の場においても例外ではなく、コロナの収束が長期化しそうなことに伴い、オンライン化の動きも広がってきている。

ただし、葬儀・供養の中でも、オンラインサービスが拡大しているものもあれば、普及していないものもある。代表的なのは、「法要」と「葬儀」だ。

「葬儀」のオンラインサービスがさほど拡大していない大きな要因の1つは、オンライン化に否定的な葬儀社が少なくないことにある。その理由として、「葬儀の参列者の中には録画されたくない人がいる」「故人とのお別れは、直接対面して行うべきである」「故人と関係があった人たちが一堂に集まり、会食しながら故人の想い出話などをすることにも葬儀の意義がある」といった意見がある。

ほかにも「オンライン配信すると、葬儀会場に来る人が少なくなる」「葬儀に参列する人は高齢者が多く、オンライン機器を操作できない人がいる。また、葬儀社にもITは苦手な人が多い」などの理由も挙げられている。

無料で葬儀の中継を行う

しかし、オンライン葬儀サービスを開始する葬儀社やオンライン関連事業者も増えてきているのが実情だ。はたして、オンライン葬儀は拡大し、コロナ収束後も定着するのか。そこで、オンライン葬儀サービスに注力している葬儀社や関連業者の現状と今後の計画などを分析することで、これからの行方を展望してみたい。

埼玉県内で22カ所の葬祭ホールを出店している冠婚葬祭互助会の株式会社セレモニー(埼玉県さいたま市)は、今年6月からオンライン葬儀サービス「スマートセレモニー」を開始した。

同サービスは、無料の葬儀中継を始め、弔問や会葬、供花、弔電の受付、香典の預かりをすべてオンライン上でできるサービスだ。その狙いについて、同社の志賀司社長は、「葬儀会場まで来ていただくのがいちばんよいとは思っている。しかし、高齢化の進展や海外勤務などで葬儀に参列できない人が増えてきており、どこかの時点でオンライン配信も始めなければならないと考えていた。コロナによって参列が難しい状態になったので開発に踏み切った」と話す。

スマートセレモニーは自社で開発。葬儀のことは知らないIT企業などが開発したシステムだと使い勝手が悪いことが予想されたため、現場サイドからの情報をくみ上げて使い勝手のよいものをつくったという。

また、喪家専用のWebぺージをスマートセレモニーでは設けている。上述した、葬儀中継、弔問・会葬と供花・弔電の受付、香典の預かりはクレジット決済で行える。また、弔問・会葬者は、喪家が用意した複数の供花・弔電、香典の返礼品の中から好きなものを選ぶことができる。

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