自宅からも参列できる「オンライン葬儀」の実態 新型コロナが収束しても、普及し続けるのか
もう1つは、「スマート葬儀」システムを、葬儀社に導入してもらうパターンだ。導入費用は月々3万円(税別)としている。
売れ行き状況は、まず一般ユーザーからの依頼は、販売開始から8月末までの約4カ月間で100件あった。法要が7割と多いが、葬儀も3割ある。「とくに葬儀のオンラインについては、われわれ自身、もっと抵抗があるのではないかと予想していたが、そうでもないことがわかった」(栗本喬一執行役員)。
亡くなるのは80~90代が多く、その兄弟姉妹も故人と近い年齢なので、3密は避けたいけれどもオンラインでも良いから参列したいという要望が強いことが、要因にはあるという。さらに喪主世代は、ITに対して苦手意識があまりないそうだ。
コロナで葬儀単価がダウン
一方、スマート葬儀システムを導入した葬儀社は100社ある。導入葬儀社の傾向は2つあり、1つは、小規模事業者持続化補助金を使って導入する小規模葬儀社。もう1つは、中・大手葬儀社で、導入数は前者と後者が約半々だ。
中堅・大手葬儀社で導入するところは、コロナの影響で葬儀単価がダウンしているので、それを補う目的のところが多い。単価ダウンを補うというのは「コロナ禍で儀式を行わない直葬も増えている。オンラインを利用するということは、最低1日葬以上の葬儀を行うということになるため、オンラインを勧めるといった活用をしている」(栗本喬一執行役員)。
また、「スマート葬儀」システムを導入した葬儀社での喪家の利用率は、葬儀社により1~3割となっている。訃報案内をもらった人は、弔電、供花、供物くらいは出しておこうという人が多く、これも葬儀の単価ダウンを補うことに寄与しているという。
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