自宅からも参列できる「オンライン葬儀」の実態 新型コロナが収束しても、普及し続けるのか
2000年に創業してWebサービスの開発・製作を行うIT企業の株式会社マイクロウェーブ(東京都渋谷区)は、オンライン葬儀サービス「@葬儀」を今年7月から販売開始した。ソーシャルイノベーション事業本部の松田愛プロデューサーは、「コロナとは関係なく、当社が長年培ってきたIT技術を活かした新しい葬儀の形を提案しようということで、昨年から準備を進めていた。葬儀社向けサービスなので葬儀社からいろいろ意見を聞き開発・製作した」と、狙いを話す。
オンライン葬儀というと、ライブ配信というイメージがあるが、開発に当たっては、IT企業としてのノウハウを活かし、ライブ配信以外にも参列者に喜ばれるものを付加するということを基軸に検討したという。
その結果、「オンライン葬儀場」をWeb上に設置し、そこに故人の写真や花、焼香台などを備えた祭壇をつくり、実際の葬儀の様子や喪主挨拶などのシーンを動画や静止画で見ながら会葬できるようにした。焼香ボタンを押すと煙が出て、お参りしたという感覚も味わえる。
家族葬との組み合わせも増えている
このほか、故人への追悼メッセージを送ったり、参列者が所有している故人の写真を喪主に送ることもできる。また、香典のクレジット決済や供花・供物の申し込みも可能だ。
@葬儀を、8月末までの2カ月間で導入または導入検討中の葬儀社は約40社。同社の事業計画を上回っており、2カ月でそれだけの申し込みがあるサービスはなかなか無いという。
@葬儀を導入した葬儀社では、家族葬と組み合わせて利用しているところが多い。「家族葬だと、葬儀に呼ぶ人を限定してしまうので、最後のお別れをしたかったと思う友人、知人などにとって、気持ちの整理がつかない。葬儀社にとっては、供花や香典返しなどが減ることがデメリットである。これらのデメリットを解消するために利用しているので、葬儀社、喪主、参列者のすべてに喜ばれている」(松田愛氏)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら